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出会い
「ねぇ、起きて、起きて」
体が揺すぶられる。今度は子供の声だった。
体を動かそうとしたけれど、何だか体がすごくだるくて動かない。
また声が聞こえる。
「こーら、耳無しは、この世界に来たばかりなんだから、やめなさい」
耳無し…?耳が無くなってる?!と私は焦る。確かめようにも体が動かない。
「はーい。じゃあね、耳無し」
その子供は私の頭を撫でると、おそらく部屋を出ていった。というのもドアが閉まる音がしたからだ。
天界で、女の人が異世界が何とかって言ってたけど、ここは異世界って事なのかな…なんて考えてたけれど、なんだか、すごく眠くなって、そのまま、夢の中に落ちていった。