迫る悪意
次の日になって、ルカは今日も仕事に行った。
「今日も行ってくる。いいか、約束を覚えているか」
「もう覚えてるよ。いってらっしゃい」
「ああ、いってくる」
なんて、お決まりのような会話をしてルカは行った。
それから1人でお昼ご飯をゆっくり食べ、洗濯をしまっている頃だった。
「あの、ルカさんの番い、いますか?」「開けてください」
ルカに開けたらダメだと何度も言われていたので気配を押し殺しいなくなるのを待つ。
「いないんですか」「いないわけないよ。耳無しが1人で外に行くわけないもの」「早く開けてください」
数人の声が聞こえる。
「ルカさんが怪我をしたんです」
その声に、カッとなって、扉を開ける。
「ルカは、ルカは無事なんですか?」
そこにはミーシャと呼ばれたあのギルドの職員と数人の冒険者がいた。
「かなり重症で危ないんです。来てください」
と、ミーシャが真剣な顔をして言う。
そう言われたら行かずにはいられなかった。
ミーシャさん達について行くと、普段行かないような路地の奥に連れていかれる。
「本当にこっちでいいんですか?」
雲行きがどんどんと怪しくなる。
「…。もうここら辺でいいわ」
そう言うと、ミーシャさんや、他の冒険者に囲まれた。すると、一斉に罵詈雑言が飛び出す。
「なんでお前なんかが、ルカさんの番いなんだよ」
「Sランクの冒険者の番いがお前みたいな弱っちぃやつだなんて」
「ルカさんのお金で悠々と暮らしてるんですか。恥ずかしくないんですか?」
「私、ルカさんのこと好きだったのに。なんであんたみたいなやつが。ありえない」
「私もよ。何年も片想いしてたもの」
「可愛い猫獣人のミーシャにも、強い虎獣人のガータイも相手にされなかったのよ。なのに、なんであんたなの。何も出来ないじゃない」
なんて、次々と責められる。
「ルカさんをちょうだい。お願いだから」と、ミーシャさんが私の手首を強く握りしめ言う。
何も言わず優香はただ下を向く。




