お迎え
「ユーカ!!!!」
虎はその声に誘われるように後ろを向く。
そして、近づいてくるものを警戒するように、臨戦態勢をとった。
優香も恐る恐ると後ろを向く。
そこには、ルカがいた。
ルカは互角程度に、虎と戦っていた。
「ルカ! いたか!」と何者かが近づいてきた。
それは、ルクスだった。
「き、窮奇だと?!おい、大丈夫か!」
窮奇窮奇も分が悪いと思ったのだろう。残念そうに優香の方を見て、去って行った。
ルカが険しい顔をしながらゆっくりとこっちに近づいてくる。
お、怒られると思って目をぎゅっと瞑った。
「ユーカ」存在を確かめるかのような声だった。
「ユーカ、帰ろう。俺たちの家へ」と言いながらルカは優香を抱きしめる。
優香は泣きながらただルカを抱きしめた。
そうしているうちに、優香は眠ってしまった。
「よかったな。ルカ」とルクスは優香をおぶっているルカの肩を叩く。
「…。なんで家を出たのか分からない。こんな危険なところまで出ていって」とボヤくルカ。
「分からないなら話し合えばいいだろ? 時間は沢山あるんだ。きっと大丈夫だよ。なんたってルカとユーカは番いなんだから」
「ああ、そうだな」