おうちに帰ろう
「兄ちゃん…」
会えて嬉しいのか、涙声になっていく
「もう終わろう。もう力なんていらないんだ」
ハルドは笑い、バルドに声をかける
「でも!」
「ツラい思いをしてまで、力なんていらないんだ」
ハルドはぎゅっと抱きしめる
「やっと会えた…バルドの力が強すぎて、会えなかったんだ。ゴメンね」
「帰ろう。母さんたちも待ってる」
「でも!」
「誰も責めない。悲しませない。大丈夫、ねっ」
ハルドはニコッと笑う
「そんな…僕は…!」
「そうだ、僕達はいけないことをしたんだ」
ハルドは真顔になって、バルドを見つめる
「たくさんの人達を傷つけ、悲しませた…。だからこそ終わろう…あの子達も僕らのように悲しませちゃいけない」
そういうと、また優しそうな顔で、バルドを見る
「終わらせるなんてムリだよ」
バルドは、首をふりハルドの言葉を否定する
「ムリじゃない!」
ハルドも強く、バルドの言葉を否定する
「見てきただろう?この世界は魔法が使えなくてもみんな笑っている、練習すれば使えるようになる。もう僕らがいた世界じゃない。居てはいけないんだ」
「君たち…」
アリス達に声をかける
「は、はい」
怯えつつ返事をするアリスとクリス
ハルドは、クリス達にペコリとお辞儀をする
「すまないね、うちの弟が迷惑かけて…君達のお婆ちゃんにも謝っといてくれる?」
「おばあ様…」
アリスがポツリと呟く
「そう、ツラい思いをさせたから…」
「兄ちゃん、僕は…僕は…」
バルドが泣き崩れ、その場でへたりこむ
「そうだ。帰るんだ、家に…」
「君達ももう、ここには居てはいけない…」
アリス達に話しかけると、クリス達の右側を指差す
「ほらあそこ」
そこには、キラキラ光る道筋ができていた
「その光の道を辿っていくんだ。そうすれば帰れるから」
「……いいの?」
アリスが心配そうにハルドに聞く
ハルドは、ニコッと笑い答える
「ああ、ルーグ家の皆に謝っといてね。約束」
「クリス行こう…」
アリスが立ち上がり、クリスを引っ張る
クリスは不安そうにハルド達を見ている
その様子を見て、ハルドはクリスに微笑む
「大丈夫、バルドは少し叱るけど、もう君たちの前には現れないから」
「えっ?」
なんで?という顔をするバルド
「そりゃ、少しは怒るよ」
クスッと笑うハルド
アリス達が光の道筋に近づいていく
そして、ハルド達の後ろには先代のルーグ家の人々が集まり、アリス達を見守ってる
「さぁ、行くんだ。未来へ…」




