二人のために
アリス達がいる建物から、遠く離れた場所にカフルとリリスがいた
人里離れた場所に数件の家が立っている
その中から、一番大きな家に入っていく二人
家の中に入ると、杖の音と足音が聞こえてきた
「よく帰ってこれたな、カフル」
カフルの夫、ルグドが二人に話しかけてきた
「じぃさん、生きていたのかい」
カフルは笑い、ルグドを見る
「ふん、双子の災いに恐れをなして帰ってきたのか、情けない奴め、しかも、リリスも一緒か」
「お久しぶりです」
リリスは、お辞儀をして挨拶をする
「お前達のせいで、我がルーグ家は荒れに荒れとる」
「それは滑稽、滑稽」
カフルは、薄ら笑う
「それに、コドルもコドルじゃ、ずっと籠りっぱなしで、頑固な性格も誰に似たのか…」
「なんと?!コドルいるのか?」
「あぁ、ずーっとおるわ」
「リリス、あのバカ息子ここにおったぞ」
思わずリリスをみる
「え、ええ…」
少し戸惑うリリス
「リリスは時々コドルに会っとったぞ」
「なんと?リリス、コドルの事しっていたのか?!」
そう驚き問いかける
「ええ、お母様にも何度か、此処に居ると伝えていたのですが、いつも心配しすぎて、私の話が聞こえてない様子でしたので…」
カフルは、少し照れた様子で
「そ、そうか…」
と答える
「して、コドルは?」
すぐに、真剣な顔になり、ルグドを見るカフル
「そこじゃ」
そういうと、家の奥にある部屋を杖で指す
「よいか、ワシは双子は生かすべきではないと思っている。それはお前も分かるだろ、カフル」
部屋から反対の方にある部屋へと歩き出す
その後ろ姿をカフルは、見つめ
「ふん、ならばこそじゃ。あの子達には未来がある」
ルグドに答える
「…ふん」
そういうと、コドルは部屋の中に入っていった
ルグドが教えた部屋へ向かうカフル
バン!と強く扉を開け
「コドル!」
と中にいた男性に声を荒げる
「えっ?母さん?」
机に向かい何かを書いていたコドル、カフルの声に驚く
「ここで何をしている?!」
コドルを見つけると車椅子を押しヅカヅカ入っていく
「なにって…」
カフルの気迫にうろたえる
「お母様、落ち着いて…」
リリスも、カフルの様子に戸惑う
「お前は!娘が恋しくないのか?!」
コドルの隣に着くと、ベシベシと体を強めに叩き始めた
「いや、だから…」
コドルはカフルに圧倒されている
「お母様、コドルさんは、二人の為にはここで、どうにか調べていたのですよ」
とリリスが話す
「どうにか?!」
「そう、双子の災いがどうにか、起きないように調べていたんだけど…」
コドルは、ふぅと深呼吸をして、そう答える
「なにかありました?」
リリスは不安そうに聞くが、コドルはため息混じりに首をふる
「いや、なにも…」
力なさげにそう答える
二人の会話を聞いていたカフル
キィっと車椅子を鳴らし、コドルの机の上にある、たくさんの本や紙を手に取り、二人に語り始める
「当たり前だ、此処には何もない」
「え?」
「母さんどういうこと?」
予想外のカフルの言葉に驚く二人
「ルーグ家の事は、ほぼ全て魔術本部に預けてある。ここには、なにも資料、知識として何もない」
「本部?」
「どうして本部に?」
二人の言葉に答えるカフル
「本部と契約したからだ」
「契約?」
コドルとリリスは顔を見つめ不思議そうな顔をする
カフルも車椅子を動かし二人の方を向く
「ああ、我がルーグ家の能力と、双子の災いだ」
そういうと、少し顔を下の方へとうつ向く
「どういうこと?」
コドルがカフルに問いかける
カフルは、コドルの方を向き直す
「もうルーグ家の力は必要なしとし、双子の災いを終わらせよう。ということになったのだ…。その為に犠牲も必要だが…」
そういうと、悲しそうな顔をする
「災害がないのに犠牲ですか?」
リリスが聞く
リリスの方を向き、カフルはゆっくり頷く
「ああ、そうだ」
「母さん…」
そうコドルが呼ぶとカフルはコドルの方を向いた
「なんだね?」
「知っていること教えてくれ…アリスと、クリスの為に」




