絶望のはじまり
夜、大きなベッドに、アリスとクリスが一緒に横になっている
「ねぇ、クリスどう思う?」
アリスが質問を始めた
「おばあ様の話?」
アリスの声に反応するクリス
「うん」
「イヤだよ」
「私もイヤ…」
「でも、もうすぐ誕生日だよね?」
今度はクリスが質問する
「…うん」
「本当にそうなのかな?」
クリスはそう言うと、ぎゅっとアリスの手をつかんだ
「眠ろう、アリス…イヤなこと考えたくない」
「クリス…」
クリスはアリスの不安そうな顔を見ると、手を離して布団の中に潜り込む
「…先におやすみなさい」
次の日の朝、ドタドタっと音がする
「アリス、アリス!起きて!」
寝ているアリスを揺らして起こすクリス
「どうしたの?クリス」
寝ぼけて返事をするアリス
「お母様いない!おばあ様も!家政婦のお姉ちゃん達も!みんな居ない!」
「えっ?」
二人は建物のあっちこっち探し回る
けれども、誰もいない、気配もしない
「いないね…」
探し疲れてベットで休む二人
「お買い物かな?」
「みんなで?私達を置いて?」
「うん、きっとそう。帰ってきたら怒ろう!」
「アリス…うん、そうだね」
時間がたって、夜になっても誰もこない
二人はベット座って待っている
「帰ってこなかったね…」
「うん」
「もうお外真っ暗だね…」
静まり返る部屋、グゥとクリスのお腹がなった
「お腹空いた…」
「ご飯、たくさん冷蔵庫にあったよ」
ふるふると首をふるクリス
「みんなと一緒に食べたい」
「クリス…」
再び静かになる部屋
「アリス、もう寝ようよ…寂しくてイヤだ…朝になれば、みんな帰ってくるよね」
「クリス…そうだね、きっと。…もう眠ろう」
次の日の朝になっても、誰も帰っていなかった
結局、その日も帰ってこなかった
大きな建物に、双子だけが過ごしている
二人だけになって3日目の朝、目覚めても静かな気配
「お母様…」
ポツリとクリスが呟く
「クリス…」
隣で寝ていたアリスが呼ぶ
「どうしたの?アリス」
アリスの声に体を起こす
「たすけて…」
苦しそうな声が聞こえた
クリスは急いで、アリスの体を触る
「アリス、すごい熱!大丈夫?」
うっすら目を開け、クリスを見る
「クリス…おばあ様の言う通りになりそう…」
「えっ?」
ぎゅっと胸に手を置き、服を掴む
「とても…イヤ、すごくイヤ」
「アリス、大丈夫?」
横になっているアリスを揺らす
「ねぇクリス…おばあ様の覚えてる?」
「えっ?あれ?えっと…」
「うぅ…」
苦しそうにもがくアリス
「アリス…もしかして…」
何かに気づくクリス
それをみてアリスは
「そう、私を殺して…」
と苦しそうに頷く
「だめ!」
アリスの言葉に、クリスは思わず大声を出す
「クリスお願い…とても苦しいの、すごいイヤなの、お願い」
「でも…でも…」
アリスの様子にクリスは泣き出している
「早く、そうじゃなきゃ、私がクリスを…」
そういうと、突然、ガバッと起きるアリス
「うぁー!!」
アリスが叫びだす
椅子や本棚がガタガタと揺れだした
「クリス!お願い早く!」
段々大きく揺れ始める
アリスの隣で泣いているクリス
「い、いや…」
ガタガタと本が落ちて、椅子も倒れ始める
「おばあ様の言う通りに!早く!」
アリスが叫ぶ
「う…う…」
クリスは泣き震えている
さらに苦しそうになっていくアリス
「アリス、ムリだよ!ダメだよ!」
アリスが苦しむほど、大きな音が聞こえてくる
その音と共に、建物が段々壊れていく
アリスは叫ぶ、そしてクリスも叫ぶ
「お願いだよ!クリス!」
「いやだ!アリスー!」




