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ショートショート【コメディー】

うまいビール


最近の若者はつまらない奴が多い。


酒もしない。タバコもしない。ギャンブルもしない。


しない、しないの、しないずくし。


そのくせツイッターだ、インスタグラムだ、表面上の付き合いだけを求める。


わざわざ上司である私が飲みに行こうと誘ってやっても、平気で断るような奴ばかり。


それこそ奢ってやるとまで言っているのに・・・




だからこそ、先月入社したばかりの若手社員から、一緒に飲みに行きたいと言われた時には驚いた。


そして、嬉しくなった。


この歳になって初めて部下に飲みに行こうと誘われたのだ、無理もないだろう。



花の金曜日。仕事を終えた私とそいつは夜の繁華街へと旅に出る。


もちろん。財布にはパンパンになった現金とカードを忍ばして。


そして、何件梯子したことか?


居酒屋、割烹、お姉ちゃんの出てくる店、どこに行っても二人してしこたま酒を煽った。


そして、四件目を後にしてそいつが言ったのだ。


「課長!!うまいビールが飲みたいっす!!」


こんなに付き合いの良い奴がいるだろうか?


私たちはお互いに真っ赤な顔を見合わせながら、今日は朝まで行くぞと気合を入れ直した。


そこまで・・・


そこまでが私の覚えていることだ・・・


うまいビールを飲みに行く。


確かにそう言った。


けど、ここまでする必要があるのだろうか!?




隣で幸せそうな寝息を立てる部下をよそに、私は憂い顔で窓から外を眺めるが、







雲は遥かその下を行く。






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― 新着の感想 ―
[一言] >甘々な評価 ああああ、ごめんなさい。 確かに評価でどちらかを五にしたら、片方の評価下げる癖があります。 もちろん、もっと上がありそうなのに対して、ですよ。 向上心がある場合は特に。 感…
[良い点] ドイツかよ! [一言] ども。 友達が汗流すぞと車で5時間ほどの山奥の温泉に連れられたことを思い出す。
[良い点] 朝チュンかと思ったら飛行機だった! 遠方に乗っていったんだなってわかりましたよ! [一言] 私は若者で社会人です、しかし上司からお酒の席に誘われない! 私から誘うのもおかしなものです、ああ…
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