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石の支配  作者: シュシュ
第1章 『涙から始まる物語』
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第5話『信じること、疑うこと』

「あの……リゼさん?」


「良いですか?二度とラピスさんに近づいてはいけません」


 ミドはリゼから教会から出た後から、ずっとこんな感じで、教会には行くな、近づくなと注意されている。


「敵国の子どもだからですか……?」


「それもありますが、裏切り者なのです」


「え……?」


「裏切り者だから、教会に隔離されたわけです。私達は……あの人達と、手を取り合うことは出来ない」


「フミカさんという女性を亡き者にしたかもしれないからですか?」


「っ⁉︎聞いたんですか……」


「リゼさん!ミド!」


 向こう側から走って来たのは、僕っ娘のレルナだった。


「はぁはぁはぁ、良かった無事で……」


 レルナは息切れしながら、ハンカチで首の汗を拭いた。


「どうして、場所が分かったんですか?」


「窓から、二人の姿が見えて……教会かと思ったけど、中々帰って来ないから」


「私は上に報告して来ます。レルナさん、ミドさんを頼みますよ」


「うん、任せて」


「杖よ。すぐに私を監視者室に連れて行って!」


 そうリゼが唱えると、彼女は光に包まれ、消えて行った。


「あれが戦場で、使えれば良いのに……」


「魔法みたいですね」


「魔法だよ」


「え⁉︎」


「聞いたでしょ?監視者は覚醒者の子どもだから、特別な能力が備わってしまうって。まぁ、人によっては、覚醒者も魔法使えるけどね」


 ーー魔法……。


 今のご時世に存在するなんて、ミドは夢にも思わなかった。

 ステラ国は、元々の風景を守っているが、他の国は、凄い機械が沢山動いているらしい。


「ミド、戻るよ」


 ……。


「どうして、ラピスさん達のことを信じれないんですか!」


「ミドは、ダメなの……」


「だって、悪いことをしそうにないじゃないですか……」


「ミドはね、人を疑うことを知るべきだよ」


「私達が存在するこの世界、Stone houseは、前居た世界とは違う。私達は、国に守られている国民じゃない。国に見捨てられ、だけど国の為に戦わされている私兵」


 ーー僕は……僕は……。


 ミドは何を思ったのか、上手く言葉に出来なかった。


「さぁ、帰ろう」


 彼女は、笑顔でミドを見る。

 国に見捨てられ、国の為に戦わされている私兵になることは、仕方ないという風に。


 ーーそんなのおかしいよ……。


 一瞬、レルナに恐怖を感じた。


 そして、この後ミドは無理矢理、戦場の世界へ行く為の準備を始めさせられるのだ。








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