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石の支配  作者: シュシュ
第1章 『涙から始まる物語』
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第2話『新しい居場所』

 カチカチと規則的に音がなっている。

 これは、時計の音だろうか?


「んーー」


「目覚めましたか?」


「うぁっ⁉︎」


 目覚めると、すぐ近くに女の人が居た。

 茶髪のボブに上が白で下が赤のワンピース、更に赤い細いリボンも付いていて、瞳の色が透明だ。そして、透明な石のブローチも付いている。


「驚かせてしまい、すみません」


「あなたは……?」


「シルラです。17歳です」


「ここは、一体……」


「Stone houseという名の施設です」


 シルラは、ミドが知りたいことを言ってくれているが……。


 ーーなんだか、ロボットみたい。


 そう思ってしまう程、顔が無表情だった。


「ここには、他にも人が居ます。案内しますね」


 そう言われ、ベットから降りて、ロボットみたいな彼女に付いて行く。


 ーーそういえば、僕は無理矢理……。


『あなたは、悲しみの罪を犯してしまった。私と共に来てもらう』


 確か、スイナという人が言っていた言葉だ。


 ーーけど、悲しみって何?僕は罪を犯したの?


 罪があるっていうことは、悪いことをしたと言うことになるが、ミドには全く、犯罪と呼ばれるものに手を染めたこもはない。

 悪いことと言えば、人の物を盗むとか怪我させるとか、そういうイメージだ。


「あの、シルラさんも罪を犯した人なんですか?」


「っ⁉︎」


 シルラはビクッとして、少し驚いた顔をした。


「ここに居るのだから、そうです。後はご想像にお任せします」


 また、無表情に戻った。


「着きました。開けますね」


 そう言うと、シルラは扉を開けた。

 部屋の中では、オセロをしている人達やカメラで写真をパシャパシャ撮っている人、空気を殴っている人が居た。

 他にもそれぞれ、好きなことをしていた。


「皆さん、新しい住人のミド・テトラさんです」


 これはもう、自己紹介の流れだろう。


「ミド・テトラと言います。10歳です。よろしくお願いします……」


「やっほー!私はスタルだよ!年齢は15歳!よろしくー」


「よ、よろしくお願いします」


 スタルは、肩ぐらいまで髪があり、色は茶髪だ。瞳は薄茶色で、デニム生地のジャケットに短めのズボン、カラフルなタイツを履いている。そして、黒縁のメガネがとてもよく、似合っている。

 カメラを首にぶら下げているので、写真を撮るのが好きなのだろう。

 更にスタルも、石のブローチを付けている。色は紺色に所々キラキラしている。

 まるでーー宇宙の色みたいだ。


「ねぇねぇ!宇宙って神秘的じゃない?水金地火木土天海!」


 ーー突然、惑星の並び順を言われても……。


「た、確かに宇宙は素敵ですよねー」


 もう、こういう返答しか出来ない。


「困っているから、やめなよ。僕はレルナ、14歳。よろしく」


 レルナは、水色の瞳で、茶髪のショートに白いブラウス、赤のスカートでサスペンダーをしている。大きな茶色リボンを付けており、やっぱり、赤色の石のブローチが付けられていた。


 女の子だけど、一人称は僕だ。


「僕、本好きなんだ」


 そういえば、レルナさんは手に本を持っていた。


「君も好き?」


「はい、好きでーー」


「きぁ〜ミドちゃん、可愛い!」


 ーーミドちゃん⁉︎


「あの、僕は男の子なんですけど……」


「あら、そうなの?可愛いから、女の子かと思っちゃったわ!私はコハク。まだまだ若い24歳です!よろしくね〜」


 コハクは、おっとりとした口調だ。

 綺麗な金髪の長髪で、髪には向日葵の髪飾りをしていて、金色の瞳、お花屋さんみたいな格好をしている。緑色のエプロンとか、もうお花屋さんっぽい。

 やっぱりコハクも、琥珀色のブローチをしている。


「俺は17歳のラルフ!よろしくな、ミドちゃん!」


「だから、男の子ですって……」


 男の子と言ったのにちゃん付けをするラルフは、薄い茶髪に水色の瞳、右の頬に薄い傷がある。格好は赤のパーカーで、首には水色の液体が入った雫の形のネックレスをしている。ブローチは付けていない。


「私はセイラよ。年齢は15歳」


 セイラの声は凛としている。

 瞳はダイヤモンドみたいに輝いている。髪は紫色で、腰まで綺麗にまっすぐ伸びている。白いブラウスに黒の薄いカーディガン、黒いスカートに黒いタイツ。細い赤色のリボンに透明な石のブローチがやはりあった。


「何、仏頂面していらっしゃるの?」


「はぁ?あんたには、関係ないし」


「わたくしは、ウサナですの。歳は生憎、隣の仏頂面の方と同じですわ」


「はぁ?」


 ウサナは、グレーの色の瞳で、茶髪。こちらも腰まで伸びている。

 ピンクのワンピースにピンクのブローチ、髪にはうさぎの髪留めがしてある。

 いかにも、お嬢様という感じだ。


「あなたは、歓迎という言葉を知らないのかしら?」


「何?嫌味?さっき、オセロで負けたからって、それはないんじゃない?」


「わたくしは質問をしたのですけど?」


「あんたの質問に答える義理はない」


「わたくしより、背が低いくせに何を仰っているの?」


 ーーいや、身長同じだし。


「あんたは、髪にうさぎ付けてるから、まだ小ちゃい子なんじゃない?」


「わたくしのうさちゃんをバカにしないで!」


「はぁ⁉︎アドバイスしてあげただけなのに?」


「この仏頂面娘!!!!!」


「うさぎ付けて、器も小ちゃい子!!!!!」


 ーーこれは、止めた方が良いのかな?


「あの、喧嘩はーー」


「あんたは、黙ってて!!」


「はい……すみません……」


 二人に怒鳴られてしまった。


「ねぇーーうるさいんだけど?」


 不気味な声が聞こえると、二人はビクッと体を震わせた。


「フフ……僕はペイア。17歳。よろしくね?」


「は、はい!よろしくお願いします……」


 ペイアと言う青年は、セーターに赤色の細いリボンをして、白い石ののブローチを付けている。髪は男の人だけど長く、寝癖がついていたりして、だらんとしている。セーターの袖も伸びて、だらんとしている。

 そして、目が怖い。


 一言で言い表すなら、不気味……この言葉だ。


「ねぇ、君ってさーどっかのお貴族様でしょう?」


「えぇ……多分……」


「ふーん。僕、貴族嫌いだから。あ、でも、君の緑の瞳は気になるかな?」


「え……?」


「緑の瞳って、珍しいんだよ?」


「いつか、君もねらーー」


「そこまでにしてもらう」


 突然、ドアが開き、男の人と女の人が入って来た。


「ペイア、お前は新人に近づくことを禁ずる」


「へぇー流石、役立たずの騎士様だね」


「役立たずって……」


 もう一人の女の人が呟いた。


「俺はこのチームのリーダーを務める、ブルアだ。よろしく、頼む」


 ブルアは、とても珍しい水色の髪をしている。

 格好も物語の中の冒険者みたいに青を基調とした服を着ていて、剣を背負っている。

 動きやすそうだ。


「続いて、副リーダーだがーー」


「ふ、ふふ副リーダーを務める!リンと申します。よ、よろしくお願いします」


 リンは金色の瞳で、セーラー服を着ている。薄い茶髪で、髪は肩くらいまで。金色のダイヤの形をした髪飾りを付けている。

 どうやら、彼女は話すのが苦手なようだ。頬が赤い。


「これで、全員終わりました。リーダー」


「ミド・テトラ、お前を歓迎する」


 パチパチ。


 とみんなが拍手をしてくれてはいるが……。


「あの、僕って何をしたんですか?それと、皆さんも何かしたんですか?」


 そう言うと、急にみんなの顔が変わった。

 全員無表情で、暗い。

 不気味だ。

 逃げ出したくなる。


「罪を犯したんだよ。それぞれ、違う理由で」


 と全員がその言葉を言った。



 そこには、感情は一切こもっていない。

 顔も人形みたいで、表情もない。

 まるで無の世界に居るみたいだ。


「入るぞ」


 入って来たのは、青藍色の髪、スイナと呼ばれていた人と茶髪で二つ結びのメガネをかけた女の人、茶髪で後ろをお団子にしているさ軍人みたいな女の人が居た。


「ミド・テトラ、聞きたいことは山程あるだろうが、追々説明する。覚醒者の監視を務める、スイナだ」


「同じく監視者のリゼです」


 この声は⁉︎


『ごめんなさい、これも仕事なんです』


「私はアムールだ。よろしく頼む」


「それでは、ミド・テトラ、お前にこの施設の秘密。そして、国の秘密を教える」


 どうやら、強制的に『Stone house』が新しい居場所になるようだ。

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