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プロローグ2

「レベル2以上になったものは来週城下町に行って職業決めてもらうぞー、ちゃんとなりたい職業考えてくるように」


 聞きなれた教師のセリフを聞いていた。年に三回、レベルが2以上になった人は城下町に行き職業を決めてくる権利が与えられる。


 城下町付近にはレベル1のモンスターしかいないので、レベルが2あれば何かあっても一人で対応できるという理由でレベル1の人はいけない決まりになっていた。


 そして職業を決めれば職業ボーナスでステータスがあがり、村人よりも格段に強くなる。レベルが1に戻ってしまうが村人のレベル5以下ならボーナスでお釣りがくる。


 そのあと町に戻って学校でレベル上げてから冒険に出るのもよし、仲間を集めてそのまま旅立つのもよし。


 職業によってはPTを組まないと戦えない支援職なども存在するのと、安全に戦うという意味で複数人で旅立つのがよしとされている。


 今回もレベル1のままの俺には関係のない話、と思っていたのだが。


「えーと、今回はレベル1の者も数名連れてきてほしいとの要望があった。最近冒険者が減ってきたから確認したいとの事だ。道中はみんないるから危険は少ないが、保障はできない。それでも行きたい者はいるか」


「いきます!」


 俺は勢いよく手をあげて参加表明をする。このチャンスを逃すわけにはいかなかった。

 レベル1の人を連れてくる要望、今までにこんなことは一度もなかった。


「ウラノが参加……ほかに行きたいやつはいるか」


 レベル1で行きたい人は他にいなかったが、俺はあたらしい職業につけるかもしれないと思って心が躍っていた。


「よし来週行く者は全部で六名だな、各自しっかり準備しておくように」


 準備なんてほぼ終わっている。いつこんな日が来ても良いように準備だけはしていた。


「ようお前も来週いくのか、お情けで行けるようになってよかったなぁ」


「うんそうだね」


 こいつは人に絡まないと生きていけないのか。そんなことを考える。

 ちなみにこいつのレベルは4と聞いている。学校の中にいるレベルでは高いほうでたまに外でモンスターを倒していたらしい。


「レベル1で大丈夫なのかよ、なぁ」


「うんそうだね」


 正直いって俺はこいつが嫌いだ。弱いものいじめが好きで、毎日のように絡んできてはレベル1レベル1とやたらうるさい。


「おいなんとか言ったらどうなんだレベル1」


「うんそうだね」


「馬鹿にしてんのかてめぇ!」


「うんそうだね」


 おもいっきり殴られた。返事があまりにテキトウすぎた、反省も後悔もしていないが。


「お前レベル1のくせに生意気なんだよ。六年も通ってレベル1って雑魚すぎんだろ。ぼこぼこにしてやるよ」


≪ シマダが決闘を申し込んできました。受諾しますか YES/NO ≫


 人のレベルや職業、ステータスは基本的に確認できない。確認する方法はいくつかあるが、そのひとつの方法が決闘である。HPとMPに関しては何故か確認できないので、やられたフリなども可能だったりする。


「わかったやろうか」


「そうこなくっちゃなぁ!」


 YESを選択すると決闘までのカウントダウンと同時に相手の情報が表示される。

 相手のステータスをみて即土下座、なんてシーンもあったりなかったり。


 ネーム:シマダ 


 力  :15

 賢さ :5

 命中 :10

 回避 :8

 丈夫さ:13

 運  :2


 まずまずのステータスだろう。そのあたりのモンスターを倒しているというのもうなずける強さだ。

 丈夫さと力が高いことからHPも高いだろうと推測される。


「ははは!お前のステータスは相変わらずだな!!」


 ネーム:ウラノ 


 力  :7

 賢さ :7

 命中 :7

 回避 :7

 丈夫さ:7

 運  :7


 非常になんとも言いがたいステータスである。ラッキー7なのがちょっと救いと言えば救いだが。そして決闘が開始される。


「おら!」


 なんの捻りもない右ストレートが顔めがけて飛んでくる。避けるのは簡単だが避けると避けるでめんどくさいので腕でガードする。


「ほおやるじゃねぇか、これならどうだよレベル1!」


 回し蹴りがやはり顔めがけて飛んでくるが顔狙いなのはわかっていたのでこっちは屈んでかわす。

 ……なんだかいらいらしてきた。


 せっかく城下町にいけるんだ、別に今やられたい放題しなくても良いんじゃないか?

 いける条件は俺も満たしたんだ。本当は満たしていないが。


 対人の特訓ではもう何年も負けていない。学校にいる人のレベルが高くないからなのもあるだろうが、六年も毎日のように特訓してたら結構慣れる。


「どうした反撃してみろよ!」


 やっちまうか……。


「おらぁ!」


 大振りのパンチがきたのでかわしつつ前にでて喉をつかむように腕を伸ばす。


「ぉぐぇ」


 シマダが軽く呼吸困難に陥ってるところで教師が注意してきた。


「その辺にしておけよー」


 先生今まで傍観してたのかよ……。



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