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傘と悪魔と驚きと

ある日、小傘は魔理沙を驚かそうとするが、見事に失敗し、弾幕戦に移り、負けてしまう。

そこで小傘が取った行動は・・・。

「魔符『アルティメットショートウェーブ』!」

「きゃあぁぁぁぁぁ!!」

ある日、小傘は通りかかった魔理沙を見つけて驚かそうとしたが、魔理沙は驚かず、さらに妖怪退治ということで弾幕戦を始めた。もちろん小傘は敵わずに負けてしまった。

「うー・・・どうして驚かないの・・・?」

「悪いが、お前ごときの驚かしじゃ私は驚かないぜ。」

魔理沙は小傘にそう言い放つと、どこかに向けて歩いていった。

(絶対に驚かしてやるんだから・・・!)

小傘は悔やんでいたが、気持ちを切り替え背後から驚かそうとして魔理沙の後を追った。


物陰に隠れつつ、小傘は驚かす機会をうかがっていた。魔理沙は不意に立ち止まり、色んな物が入っているお手製の袋の中を探っていた。その中から本を取り出した。

「そういやパチュリーの本そろそろ返すか・・・?でもなー・・・。」

(パチュリー?)

「・・・決めた!明日返そう!明日図書館パチュリー喘息・・・っと喘息は余分か。明日図書館パチュリー本、明日図書館・・・。」

魔理沙は呟きながら再び歩き始めた。

(喘息・・・パチュリー・・・図書館・・・。)

小傘は魔理沙の言葉が頭から離れず、考え始めた。魔理沙はもういなくなったが、ある結論に至った。

「よしっ!パチュリーって奴を驚かそう!」


小傘は紅魔館に訪れた。何故か寝ている門番を尻目に、中に入っていった。途中妖精メイドとすれ違ったが、忙しいのか特に問題は起きなかった。奥に進んでいくと暗い道になり、突き当たりに大きめのドアを見つけ、静かにドアを開けると本棚の本を整理している赤髪の少女の姿が見えた。

(あれがパチュリーなのかな・・・。)

ひっそりと、一歩一歩音を出さずに近づいた。気付かれないまま近づき、背後を取った。持っている傘を構え、驚かす準備をした。

「おどろけー!」

傘を広げ、出来る限り怖い顔をした。傘で顔が隠れていることには気付いていなかったが小傘としては一番良い感じだった。しかし傘の向こうには全く声が聞こえない。

(驚きすぎて失神しちゃったのかな?)

傘を閉じ、様子を見ようかとしたところ、弾幕の大玉が目の前に迫っていた。

「ひゃぁんっ!?」

小傘は避ける間もなく被弾してしまった。赤髪の少女は寝転んでいる小傘に近寄ってきた。

「あの程度の驚かしで私なんかは驚いたりしませんよ。」

「うぅー・・・わきち修行不足・・・出直してきますぅ・・・。」

いそいそと出て行こうとした小傘だが、襟元を掴まれてしまい、逃げようにも逃げられなくなった。それでも必死にバタついて抵抗した。

「いやぁー!何するんですかー!」

「それはこっちのセリフですよ。何が目的なんですか。正直に述べてください。」

「わっわきちはただ驚かそうと思ってただけですっ!ぐえっ、い、息が詰まる・・・ぐるじい・・・。」

「はいはい嘘ですね。どうやって吐かせようかしら。」

どうするかと悩み、決定したところで小傘を見ると首がうなだれていた。おかしいと思い、手をパッと離すとあっけなく崩れ落ちた。

「失神?ちょっと長く掴みすぎたかな。」



(・・・あれ?)

小傘は意識を取り戻した時、椅子に座られていた。向かって赤髪の少女が本を読みながら座っていた。

「起きましたか?ちょっと調べたいことがあるのでもう少し待っててください。」

(冷静に考えてみればさっきから全然咳こんでないし、もしかしたら別人・・・?)

「ん?熱でもあるんですか?顔が赤いですよ。」

「ちっ違います!わきち妖怪として生まれてからずっと風邪引いてません!」

「困りますよ、もし私に風邪がうつってパチュリー様にうつったらとんでもないことになりますから。」

一瞬あっけにとられた。念のためにと、あることを聞いた。

「・・・えと、あなたは誰ですか?」

「私ですか・・・小悪魔って呼ばれていますし、小悪魔でいいですよ。」

もう顔を見ていられないほど恥ずかしくなり、顔を伏せてしまった。

「うー・・・わきち今世紀最大の失敗・・・。」

「で、ついでに名前を聞かせて欲しいんですが。」

「多々良小傘と申しますー・・・。驚かすのが生涯としてる者です・・・。」

(偽りは無さそう。じゃあさっきまで言ってたことは本当だったんだ・・・。)

小悪魔は再び質問をしようとしたが、小傘が顔を上げた。顔はもう赤くなく、何か決めたような顔つきだった。

「小悪魔さん!わきち、本当は小悪魔さんじゃなくてパチュリーって方を驚かそうと来たんです!」

「あ・・・そうなんだ。」

その時小悪魔は一瞬あることを閃いた。ちょっとした邪心から思いついたことだった。

「そうですねー。別にいいと思いますよ。私も協力します。」

「え!?本当ですか!っていうか上下関係どうなってるの・・・?」

「いいんですよ。ちょっとした反抗心反抗心。たまには従者も悪戯したいんです。」

今まで一人で驚かしてきた小傘は悩んでいたが、有無を言わせずに小悪魔は話を進めた。

「はいはいはい!じゃあどうやって驚かすかを説明します!一応今まで考えてきたんですが一人で出来なかったからあなたが来てちょうどいいんです!」

「あ・・・はぁ・・・。」

「返事!元気良く!」

「あ、はい!」



書斎で紫色の髪の少女が椅子に座って静かに本を読んでいる。あれがパチュリーだったのか。と小傘は物陰に隠れながら思った。

「パチュリー様、お茶が入りました。」

「ありがとう。ご苦労様。」

小悪魔はパチュリーにお茶を出した。パチュリーは本を目に通したまま答えた。小傘は小悪魔の説明をもう一度思い出した。

(いいですか?私が何とかして気をそらしますから背後やら何やらして近づけるはずです)

「どうやるのかなぁ・・・。というか大丈夫かなぁ・・・。」

小悪魔がそのまま後に下がると、小悪魔の方を向いてパチュリーが呼び止めた。

「待って。」

「どうなさいましたか?」

「これ緑茶じゃない。珍しいわね。普段なら時間的にも紅茶だと思ったんだけど、どうしたの?」

「ええ、それはですね・・・。」

小悪魔がチラとこちらの方に目線を向けた。どうやら今のうちに行動して欲しいようだった。

(よし。私ならできる!)

小傘はひっそりと、素早く移動した。目立たないように傘は物陰に立てて置いた。

「・・・ということがありまして。気に入りませんでしたか?」

(机は凹の形をしてますから基本的に横側でしゃがめば視界に入らないはず。そう横がポイント!)

説明通りに机の横側でしゃがみこむとパチュリーが確かに見えなくなった。お茶を飲む音がわずかに聞こえた後パチュリーが咳き込んだ。

「ゲホッゲホッ・・・少し苦すぎない?このお茶・・・。」

「いえいえ。でも風味は確かでしょう?」

「ま・・・まぁ、悪くは無いわ。ゴホッ・・・。返すわ・・・。」

ひっそりと立ち上がりパチュリーが小悪魔の方にまだ向いているのを確認し、パチュリーに近づいていった。小悪魔は密かに首を縦に動かした。

(背後についたらわっと大声で!自分で後悔するぐらい!多少不具合があっても大体驚くから!)

「・・・っわぁー!」

「きゃあっ!?」

パチュリーは驚いた弾みで前かがみになり、そのままうつぶせの状態に倒れた。

「やったぁー!驚かせたー!驚いたー!」

小傘は喜びながら小悪魔の方に駆け寄った。手を上げて駆け寄ってきたので小悪魔も手をあげハイタッチを交わした。

「ありがと!こあさんが居なかったらわきち多分無理でした!多分不発に終わりました!」

「こ、こあさんって・・・わっちょっとやめてください!」

両手を掴まれ、上下にブンブンと振り回された。その瞬間小悪魔は隣で大きな魔力と殺気を感じ取った。転んでいたパチュリーが体制を立て直して魔道書を持っていた。

「ふーん・・・小悪魔も絡んだ事だったのね・・・。」

小傘も異様な殺気に気付き、思わず小悪魔にしがみついた。

「た・・・こあさんたすけ・・・。」

「あ、いや、ちょっとここまでマジ切れしたパチュリー様初めましてだから無理・・・。」

「覚悟はいいかしら・・・。日符『ロイヤルフレア』!」

図書館は炎と二人の叫び声で包まれた。物置に隠して立てあった傘の落ちる音がした。




-事件のような事が起きてから一ヵ月後-

「はい、謹慎は終わりね。」

「うぅ・・・一ヶ月も行動を抑制なんて酷いですよパチュリー様・・・。」

「どの口が言ってるんでしょうね。」

「は、はいっ!私が悪いです!誠にすいません!」

館の者を追い払わず、さらに従者のパチュリーを驚かした小悪魔は、一ヶ月の謹慎を喰らっていた。

「今後はちゃんと守るように。持ち場に戻りなさい。」

小悪魔はパチュリーに一礼をしてから入り口の方の本棚に向かった。歩いていると、倒れたままの紫の傘を見つけた。

「・・・あ、これは・・・懐かしいなぁ。忘れたのかな。」

その時、入り口から下駄の音が近づいてくるのが聞こえた。気付いた小悪魔はため息をつき、ドア前に移動した。ドアが開き、見覚えのある水色の髪とオッドアイの少女が出てきた。

「・・・!」

「はい。忘れ物。それと・・・久しぶり。」


静かに机で本を読んでいたパチュリーは入り口方面でガヤガヤと騒いでいる事に気付いた。

「・・・はぁ。バレバレよ。小悪魔。前と同じじゃない。少しは静かに出来ないのかしら。」

本を閉じて驚かされて大げさに転んで驚いた『フリ』を思い出す。まだ頭が痛む。

「小悪魔、今この時を大事にしておきなさい。私が許すまでは・・・。」

小声でささやくと、本を向こうの声を気にせずに再び本を読み始めた。

初投稿の作品となります!

あまり出来は良くなかったでしょうか・・・。地の文がやはり慣れていないので会話文に逃げ込みました。会話文もそこまで上手くないですが。


返答は遅れるかもしれませんが、よろしかったらコメントお願いします。

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