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三題噺  作者: Douke
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お題『雪・学生・お皿』

 冬になると、ここら辺の地域は辺り一面、真っ白に覆い尽くされる。

 おかげで車や電車などの交通機関は麻痺するし、朝早くから雪かきという重労働をさせられるため、小学校を卒業する時ぐらいにはもう雪を好きではなくなっていた。

 たまに、友達とかと雪合戦や鎌倉を作ったりする時は少し楽しめるが、さすがに毎年やっていると飽きてくる。

 そんな中でも、ひとつだけ楽しみがある。

「よし、これだけやればいいだろ」

 玄関前から道路までの雪かきをし終えると、持っていたシャベルを元の場所に戻して、親に少しだけ出かけてくる事だけを告げ一人走る。

 家から十分ほど走ったたどり着いた場所は、少しだけ大きな池がある公園。

 周りに誰もいないことを確認してから、こっそり立ち入り禁止のロープを越えて池に張ってある氷に手を伸ばす。

「うん、今年も良い感じだ」

 透明で少しだけ厚みのある、手ごろな大きさの氷を手に取ると、家から持ってきたヤスリとトンカチ、それと鋸を取り出してあるものを作り出す。

 最初はトンカチと鋸で少しだけ氷を割り、大きく割れない様に細心の注意を払う。そしてちょうどいい形になったところで、ヤスリで綺麗に擦り始める。

 そうして出来上がったものは、丸くてまるでガラスのような皿だ。普通の人が見たらお月様とも言うかもしれない。

「いつか、こんな透明で綺麗な皿で豪華な料理を食べてみたいな」

 小さい頃から絵や陶芸、音楽などの芸術が好きだった。そのため中学からは芸術が専門の学校に入り、いろんな作品に触れることになって、様々なことに美しさを求めるようになってしまった。

 だからこうして、毎年冬になると池に張ってある氷を使って、いろんな作品を作ってみているのだ。

 いつか、自分の夢を実現させるために。


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