今から小説を書く君へ……凡そ6年生からのアドバイス
これからWEB小説家を目指す諸君に、まずは夢と希望に満ちたお話をしよう。
私「黒鯛の刺身♪」は小説を書き始めて、おおよそ6年になる。
6年といえば、小学校に入学した子供が卒業するほどの年月である。
人間ならば、読み書きや計算を覚え、随分と成長しているはずだ。
では、私の作家としての成長はどうだろうか。
時給、おおよそ75銭から80銭。
円ではない。「銭」である。
念のため申し上げておくが、明治時代の賃金ではない。令和の日本で、6年ほど小説を書き続けた人間の労働単価である。
1時間働いても、うまい棒どころか、その包み紙すら買えない。
まことに夢のある職業ではなかろうか。
もっとも、小説を書いていて得られるものがないわけではない。
宇宙戦争を書こうと思えば、軍事組織や兵站を調べる。貴族社会を描こうと思えば、爵位や封建制度を調べる。経済政策を登場させようと思えば、税制や金融まで調べることになる。
おかげで、日常生活にはさほど役立たない知識ばかりが増えていく。
年収は増えない。
さらに社会的地位も上がらない。
しかし、なぜ中世の軍隊が補給に苦労したのか等についてはは、妙に詳しくなる。
もはや作家というより、現代社会から隔絶された仙人である。
山奥で霞を食べる仙人と違うのは、こちらは霞では腹が膨れず、電気代と通信費まで請求されることだろう。
しかも、時代は変わった。
生成AIの登場である。
以前なら何時間もかけて調べていた資料を、AIは短時間で整理してくれる。文章の構成も考えれば、表現の修正まで手伝ってくれる。
もちろん、AIの情報には間違いもあるし、人間の創作が不要になるわけではない。
だが、膨大な時間を費やして知識を蓄えることだけを、作家としての強みとする時代ではなくなりつつある。
つまり、私のような仙人を目指す合理的な理由は、ますます少なくなっているのである。
では、WEB小説家として成功する確率はどうだろう。
噂でいう成功者が0.4%という厳しい世界だとすれば、250人に1人である。
残り249人は、少なくとも思い描いた成功には届かない計算になる。
そして、恐ろしいことに、努力したから成功するとは限らない。
何十、何百万字を書いても読者が増えないことがある。渾身の一作が見向きもされないこともある。
ようやく感想が届いたと思えば、
「ゴミ」
「屑」
などという、誠に心温まるお言葉を頂戴することさえある。
こちらは何十時間もかけて書いたのに、相手は数秒で精神に大砲を撃ち込んでくるのだから、なかなか割のよい攻撃方法である。
……それでも君は書けるだろうか (゜∀゜;)
誰にも褒められず、収入もなく、社会的な評価も得られず、それでも歯を食いしばって次の一話を書けるだろうか。
小説を書くこと自体は素晴らしい趣味だと思う。
しかし、趣味として楽しむことと、職業として成功を目指すことは、まったく別の話である。
夢を持つのは自由だ。
だが、夢だけで食事はできない。ましてや電気代も払えない。
今からWEB小説家を目指す諸君。
華やかな成功者の姿だけを見るのではなく、その足元に積み上がった何万という敗者の原稿にも目を向けてほしい。
それでもなお、書きたいと思えるか (。´・ω・)?
その覚悟こそが、WEB小説家への直視するべき課題だと思う。
ちなみに、私は6年生にして時給80銭弱。
そろそろ卒業してもよさそうなものだが、どうやらこの学校には卒業証書が存在しないらしい。
困ったことに、留年だけは何年でもできるのである ( ˘ω˘ )
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