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転生聖女ー運命に抗う姫と三人の皇子ー  作者: 日昇
第二章 三人の皇子との同居生活

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十五、楽しくなるはずだった女子会

男たちが円卓会議をしている頃、女たちも集まり、玲莉(リンリー)を中心に盛り上がっていた。

(まるで女子会だな・・・)

玲莉はそう思いながら、楽しく会話していた。

「玲莉、建明(ジェンミン)殿下、皇太子殿下、翔宇(シャンユー)殿下。三人と一緒に住んでいたのでしょう?何か進展はなかったの?」

(ジャオ)は玲莉と三人の皇子たちの関係を面白がっているようだった。

「義姉上、それどころじゃありませんでしたよ。さらわれるし、崖から落ちるし、目を覚ましたら、知らない集落にいましたし・・・それに・・・春静(チュンジン)の顔に傷ができてしまいました」

嬌は春静に気まずそうに謝っていた。

「でも玲莉ならこれくらいの傷治せるのでしょう?なぜ、春静の顔に傷跡が残ったままなの?」

玲莉は蘭玲(ランリン)の問いかけに頷きながら、蘭玲と嬌に訴えるように言った。

「姉上たち、私は顔の傷を治すと言ったのです。それなのに、春静は拒否するのですよ。『お嬢様を危険にさせた戒めです』とか言って。私は無事だったからいいじゃないと言っても、頑なに拒否するのです」

春静はふんと鼻息を荒げ、拒否する姿勢を見せていた。

「あーなるほど」

蘭玲と嬌は顔を見合わせ納得していた。春静の性格からして、説得は無理だろうと二人は思っていた。

春静は玲莉に対する忠誠心が強く、こうと決めたら曲げない性格だ。

春静は自分が人質になったため、玲莉を危険な目に合わせたと思っている。

絶対に顔の傷を治そうとはしないだろう。

「玲莉、春静はあなたに顔の傷で誓いを立てているのよ。二度とあなたを危険な目に合わせないって。春静の好きにしてあげなさい」

「でも・・・」

玲莉は納得できなかったが、しぶしぶ嬌の言葉に同意した。

その様子を優しく見守っていた思敏(スーミン)は玲莉が胸元に何か隠しているのが見えた。

「玲莉、その書物は何?」

玲莉は思い出したかのように、胸元に隠してあった書物を皆に見せた。

「聖女伝?玲莉、その書物をどうして持っているの?」

「母上、これはいただいた物なのですよ」

玲莉は思敏に聖女伝を渡した。長い年月が経っているようだが、大事にされてきたのだろう。文字の一つ一つははっきり読むことができる。

蘭玲と嬌も思敏の横から覗いて見ていた。

「私を助けてくれた人が持っていました。その人の目の前で無意識に力を使ってしまいまして・・・でも、その人は聖女の存在を知っていたのです。聖女の私が持っていたほうかいいと言ってくれたのです。名前は唐景天(タンジンティエン)さんという方です」

「景・・・天・・・?」

思敏はその名を聞いたことがあるような気がした。遠い目をしながら、必死に記憶を呼び起こしているようだった。

「玲莉、その人の年齢はわかるかしら?」

「たしか・・・二十ぐらいだったと思います」

思敏は再び遠くを見つめていた。

「母上、景天さんをご存じなのですか?」

「昔に聞いたことがある気がしてね。思い出そうとしているのだけど・・・」

思敏は突然目を見開き、動揺しはじめた。

蘭玲、嬌も明らかに動揺しはじめた思敏を心配した。

「母上、どうしたのですか?何か思い出したのですか?」

「ごめんなさい。何でもないわ。聖女伝に出てくる聖女様がすごく立派な方が多くて、感動しただけだから」

玲莉は母の様子がおかしいなと思いつつも、思敏が開いたページの聖女様の話を読んでいた。

蘭玲と嬌はお互いに目を合わせながら、思敏が何か隠していることを悟った。しかし、隠すには理由があると考え、それ以上二人とも思敏を問い詰めることはなかった。

(景天は若㬢(ルオシー)の子の名と同じだわ・・・若㬢は未だに行方不明のはず・・・もしかして生きているの?)

「玲莉、景天に母親はいたのかしら?」

「はい、いましたよ」

思敏は先程までの思い悩んでいる表情から晴れやかになっていた。

「でも、実の母親ではないそうです」

「あぁ・・・そうなの・・・」

思敏の表情は再び曇っていた。

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