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転生聖女ー運命に抗う姫と三人の皇子ー  作者: 日昇
第八章 三人の皇子と魏、楚、曽ー聖女を巡る戦い

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九、皇帝王浩の誕生

「はっ・・・王浩(ワンハオ)、お前が匿っていたのか。藩弘(ファンホン)鐘峰峻(ジョォンフェンジュン)の話は嘘ではなかったということか」

「その通りです」

「ふんっ、いくらお前たちが強くても朕の暗軍に勝てると思っているのか?誰か!!」

皇帝李叡(リールイ)の呼びかけに誰一人答えることはなかった。

「おいっ、誰か!!・・・なぜ誰も来ないのだ!」

孟景天(マンジンティエン)は滑稽な皇帝な姿に大笑いしていた。

「まだ気づかないのですか?あなたの味方は誰一人いないということに」

「貴様ら・・・朕の暗軍も・・・」

「えぇ、とっくに王丞相の軍になっていますよ。そうでした。藩弘と鐘峰峻だけは責めないであげてくださいね。最後まであなたの味方をしていたのはこの二人だけでしたので」

「若様!」

羅洋(ルオヤン)譚子安(タンズーアン)が藩弘と鐘峰峻を引きずりながら現れた。

羅洋と譚子安は二人を孟景天の目の前に投げ飛ばした。

「孟景天?やはり王丞相が匿っていたのですね」

藩弘と鐘峰峻は王浩を責めようとして、立ち上がろうとしたが、羅洋と譚子安に足を蹴られ、そのまま跪くように倒れた。

「孟景天・・・貴様は朕を殺しに来たのか?」

皇帝李叡は半ばあきらめたような口調で孟景天に尋ねた。

「いいえ・・・本当は私の手で殺したいですよ。あなたは私の父を殺し、母を辱めた男ですから」

「では朕をどうするのだ?」

「んー、皇太子殿下、まだでしょうか?」

「もう少しだと思います」

「何の話をしている?」

皇帝李叡は段々と身体の感覚が失われていくのを感じた。

(何だ・・・身体の自由がきかなくなっている)

皇帝李叡は座ることも困難になり、そのまま寝台に倒れた。

「孟景天、朕に何をした・・・」

「安心してください。死ぬことはありませんので。あなたを殺したがっている人がもう一人いましてね。あなたを殺めるのはその方が適任でしょう」

皇帝李叡は自分を恨んでいるのが誰であるのか悟った。

(リウ)・・・(ルオ)・・・(シー)

皇帝李叡はそのまま意識を失った。

(シィ)宦官!」

孟景天の呼びかけで、史宦官は玉璽を持って現れた。史宦官はその玉璽を王浩へ渡した。

「皇帝陛下、万歳、万歳」

孟景天は王浩に向かって跪き、大声で叫んだ。孟景天に続き、その場にいた者が皆、王浩に向かって声を上げた。

長年、李一族によって乗っ取られていた皇帝の座に、王の名の者が再び名を連ねることとなった。




王浩が皇帝となり、魏の国の高官たちはふるいにかけられた。

藩弘と鐘峰峻は牢獄に入れられ、藩一族と鐘一族は共に流刑となった。二人に追随していた者たちも同じ刑が処された。

周思敏(ジョウスーミン)は皇后、勇毅(ヨンイー)は皇太子、逸翰(イーハン)は第二皇子、蘭玲(ランリン)は第一公主、玲莉(リンリー)が第二公主となった。

孟景天は丞相、王吉祥(ワンジーシャン)は将軍、李義(リーイー)は後宮の薬師となった。




「ところで景天、李叡はどうするのだ?」

「はい、陛下。母へのお土産にします」

(土産ね・・・恐ろしい男だ・・・敵にしたら終わりだな)

王浩は苦笑しながら、孟景天の意向を認めた。

「しかし、正体を明かしてよかったのか?」

「問題ありません。李叡がいない今、隠れる必要がありません。それに、私のことを皆知っています。殺しにかかっても相打ちされるくらいわかるでしょう」

「それもそうだな」

「それより、陛下。陛下はまずこの国の財政を見直す必要があります。その点は逸翰・・・いえ、逸翰殿下と考慮するのが賢明でしょう。玲莉(リンリー)奪還については私に任せてください」

「そうだな。よろしく頼む」

「御意」

皇帝になることへの不安を感じていた王浩だったが、心強い聡明な若者たちがいて、何とかやっていけそうな気がしていた。

「陛下ー!」

史宦官が息を切らしながら、慌ててやってきた。

「どうした?」

「陛下・・・また蘭玲公主が・・・」

「またか」




「弱すぎます。それでも父上の暗軍なのですか?」

蘭玲は自分より弱い暗軍を鍛えるため、王浩には内緒で暗軍を鍛えていた。

「蘭玲!」

蘭玲は咄嗟に逃げようとしたが、王浩に首根っこをつかまれた。

「何度言えばわかる。お前はもうこの国の公主なのだぞ」

「父上、私は父上のためを思って・・・」

「朕のことを思うなら、もう少し自重しろ」

「はい・・・父上」

残念そうな顔をしている蘭玲に、子供に甘い王浩はある条件を出した。

「わかった。暗軍を指導してよい。ただし、蘭玲は実戦は禁止だ。少しでも怪我をしたらやめさせるからな」

「ありがとうございます。父上」

娘の甘い自分に情けなく思いながらも、生き生きした表情をしている蘭玲の姿を見て、笑みがこぼれていた。

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