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転生聖女ー運命に抗う姫と三人の皇子ー  作者: 日昇
第八章 三人の皇子と魏、楚、曽ー聖女を巡る戦い

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202/210

二、解放された皇太子殿下

孟景天(マンジンティエン)王吉祥(ワンジーシャン)に変装し、王浩(ワンハオ)とともにある人物に会いに来ていた。

「王丞相、今日もよろしくお願いします。王吉祥?もしかして、王吉祥が私の訓練の指導をしてくれるのですか?」

李義(リーイー)は期待に胸を膨らませながら、王浩に尋ねた。

「まぁ・・・そうですね」

王浩は横目で王吉祥の様子を確認しながら、答えていた。

「はい、そのとおりですよ。今日は私が皇太子殿下の剣術を指南しましょう」

「よろしくお願いします」


李義の剣の腕は以前に比べ格段に成長していた。

元々体格がいいため、筋力はある。あとは、柔軟さと、剣筋を見る力さえ補えば、この国では将軍となってもおかしくないほどの実力を身につけるであろう。


王吉祥と李義は汗を拭きながら、休憩していた。

「皇太子殿下、今日私が殿下のもとを訪ねたのは、剣の稽古をするためだけではありません。

「???」

李義は稽古で乱れた衣を整え、正座をし、姿勢を正して、王吉祥の話に耳を傾けた。

「皇太子殿下は本当に皇帝になる気があるのですか?」

意表をつかれた質問に、李義はどう答えるのが正解なのか悩んでいるようだった。

「皇太子殿下、今は王丞相、私、殿下の三人しかこの場にいません。王丞相も私もここで皇太子殿下がどんな発言をされようとも他言はいたしません。陛下にも報告は一切致しません。ですので、正直な気持ちをお答えください」

李義は王吉祥の言葉を聞いて肩の荷が下りたのか、強張っていた表情が一気に柔らかくなった。

「私は・・・皇帝などになりたくありません」

「それはよいことです」

李義は不思議に感じていた。皇太子殿下の立場である自分が皇帝になりたくないと言えば、この国は跡を継ぐ者がいなくなる。普通に考えれば、反対されることだが、王浩は複雑な表情をしながらもどこか安心したような顔をしており、王吉祥に至っては、拍手までしていた。

「ここから先は別の部屋で話しましょう」

王浩と李義は言われるがまま、王吉祥の後についていった。




王吉祥が二人を連れてきた場所は後宮内の隠れ家のような部屋だった。

李義はなぜこのような部屋を王吉祥が知っているのか理解できなかった。

「あの、吉祥はなぜこのような部屋を知っているのですか?」

「そうですね・・・」

王吉祥は二人の方を振り返ると同時に仮面をはがした。

「お久しぶりです。李義」

「孟・・・孟景天!?」

李義が大声を出して驚いていたため、王浩は李義の口をすかさず塞いだが、孟景天は気にしていないようだった。

「王丞相、安心してください。この場所は声が外に漏れることがありません。それに、ここを知っているのは白庭(バイティン)と私だけです」

王浩は謝りながら、李義の口元から手を放した。

「なるほど・・・王吉祥が道理で強いわけだ」

王吉祥と孟景天が李義の頭の中でつながった。

「それで、私に正体を明かしたということは何か理由があるのだろう?」

「その通りです。皇太子殿下、実はですね・・・」

孟景天は李義に本来皇帝の座につくべき者が王浩であること、王家と李家の間に起きた出来事についても全て話した。

李義は安心したような間抜けな表情で大きなため息をついていた。

「よかった。私が皇帝にならなくていいのですね。そもそも私は皇帝になるような器ではないのですよ。王丞相、早くあの皇帝を引きずり降ろしてください。私は・・・そうですね。適当な官職にでもしてください」

王浩は李義の潔さに呆れていた。

「さすが李義ですね。それで、皇太子殿下にお願いしたいことですが・・・」

李義は孟景天の作戦に笑みをこぼしていた。

「それは私の得意分野だ。二、三日あればできると思う」

「外に出る時は王丞相も一緒に行ってください。王丞相が一緒なら疑われることもないでしょう。王丞相、お願いします」

三人の話もまとまり、部屋から出ようとした時だった。

突然扉が開き、白庭が慌てた様子で部屋の中に入ってきた。

「若様、建明(ジェンミン)の文が陛下の元に届いたようです」

「予定通りですね。皇太子殿下、一つお願いしてよろしいですか?」

「何をすればいい?」

「建明の手紙の内容を詳しく陛下から聞き出すか、もしくは盗み見てください。しかし、危険な真似はしないでください。万が一失敗しても構いません。おおよその見当はついてます。確証があればよいと思っているだけですから」

「任せてくれ」

李義は張り切っていたが、それを見ていた王浩は心配だった。

「王丞相、陛下が楚へ軍を送る前に、王丞相は皇帝にならなければなりません」

「そうですね・・・」

王浩は皇族の血が流れていると言われても実感がなかった。しかし、自分の手でこの国と玲莉を守れるのならば何でも行おうと心に誓っていた。

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