表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/40

3.柊(1)

「やっぱり今回の外交は難しいものだったと思いますねー」


ディアンにそう話すのは、この城の庭師であるフラウ・アンフォニーだ。時々庭でディアンと話し込んで、政治に疎いディアンに政治を教えている。


「フラウさん、僕気になったんですけど……」

「何だい?」

「ジャバリ様が帰国される時に、『会談で話したことは……』とかなんとか言ってましたけど、あれは何だろうなと思って」


 フラウは庭の木を剪定しながら話す。


「うーん、それはあんまり分からないね。僕らみたいな身分の人が知るようなことではないし、僕もいい家の生まれではないから、そんなコネとかも無いからね」

「じゃあ分からないか……」

「でも、政策に反映された時には分かると思うから、あんまり考えすぎなくてもいいと思うよ」

「そうですよね……」

「そんなに気になる理由でもあるのかい?」

「初めて自分が政治に関わった瞬間でもあったので、なんとなく衝撃的な体験だったので……」

「なるほどね」


 ディアンはあの会談からしばらくは仕事が少なく、冬が始まろうとしているので、ディアンもますます暇になるばかりである。しかし、その時フラウが言った。


「あれ?なんか馬車の集団がこっちに来てるんだけど」

「何か今日はあるのですか?」

「何にもないと思うんだけどなー」


 ディアンとフラウは城の庭でその馬車の集団を待っていた。しばらくすると、王宮の門が開いた。フラウは驚きの表情だった。


「デビン・ストラウス王子……お戻りになられましたか!」


 フラウは急いで城の中に駆け込み、衛兵や使用人に王子が戻ってこられたことを伝えて回った。


「おおよそ一年ぶりといったところか……変わらないな……」



 その後の城内はお祭り騒ぎだった。しかし、ディアンだけはその喜びについていくことが出来なかった。


「アーネさん。この騒ぎは一体なんでしょうか?」

「あぁ、ディアン様はご存じなかったですか。ボルナト国王の息子であるデビン王子が、東洋への船旅からお戻りになられたのですよ」


 ディアンが城に入ってすぐにデビンは東洋へと出ていったので、ディアンは彼の存在などは知らなかった。


「ボルナト国王の息子ということは、皇太子ということですよね」

「そうです」


 しかしながら、デビン王子はかなりお疲れのご様子で、帰国による催しも延期になってしまった。彼は帰ってきてそのまま、いつも使っていたベッドで眠ってしまった。


「デビン、大丈夫か」


 父が扉越しに息子に声をかけている。


「ええ……大丈夫です、お父様」

「今はしっかりと休みなさい。公務の方は君が行っていた間のように、私たちがやっておくから」

「ありがとうございます」

「ところで、その部屋は少し殺風景ではないか?」

「……どういうことですか?」

「殺風景なら、それを飾るのに素晴らしい人物がいるんだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ