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第5話 閑話 この先の運命について

突然だが人は何故、ブラック企業に勤めるのだろうか?


 金のために働かなきゃいけない。

 他に選択肢がなかった、入る前はブラック企業と気づかなかった。

 コンプライアンス意識が低く、入社してもブラック企業だと認識できない人もいるだろう。

 無知は怖いのだ。


 今、まさに前世に懲りず、ブラック企業に騙されコキ使われる運命へと誘われた憐れな社畜がいた。

 彼は前世の労働法など関係ない異世界でまたしても色々と無知を利用され、引き込まれてしまった。


 ―まず書記というジョブについて。


 立派なジョブというのは半分正解半分嘘である。

 確かに生活職の一つで割合は多くはないが、当然激レアや伝説職ではない。

 貴族や教会、魔法学院など高貴で大きい所では一人は必要だが、その席に座るのは実力(ジョブレベル)など関係なく『コネ』である。


 冒険者のような成果がわかりやすい世界ではなく、逆にコネがないジョブレベルが高い書記など使い潰してくださいと、プラカードをつけているようなものだった。


 次に彼の今後の肩書きだが、当然彼に昇進などない。ギルドマスターも副ギルドマスターも元Aランク冒険者の肩書をもっている。

 それぞれ剣士と魔法使いだ。


 現世でのキャリアと同じで、これらの実績がないものに副ギルマス以上のいわゆる役職に就くことはまずない。

 では、内務を任せて実質受付嬢達が部下というのはどういうことか。

 それは『何の権限もなく、かつ全体の進捗の責任だけを押し付けられる名ばかり以下の管理職』となる。


 最後に後天的に短時間でスキルを得る方法について。


 確かにそれは存在するし、そのアイテムがなければ彼に冒険者としての道がないのも事実である。

 また、それはダンジョンアイテムなので冒険者が得た素材、アイテムの買い取りをしている冒険者ギルド職員が近道というのも苦しいが嘘にはなっていない。


 それは『《《スキルブック》》』と呼ばれる、最難関ダンジョン『地底古代文明ダンジョン』にしかないとされている物。


 本を開けば、誰でもその本のタイトルのスキルが手に入るというとんでもない代物だが、一度本を開けば燃えてなくなる消費型アイテムだ。

 入手が困難でかつ、当然ながら需要が高い物で法外な値で取り引きされている。

 平のギルド職員ではお目にはかかれても、手に入れることなど実質不可能な品物であった。


 その事実を彼が知るのは、職員となって少ししてからのこととなる。

 

 次話ではそんな彼の、とある1日を見ていこう。

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