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第3話 社畜、就職先を見つける

 頭に思い浮かんだステータスを見る。

 思うことはいくつかある。俺、十八歳に戻ってたんだな、とか。だが、全体を見ての感想は


「これ、冒険者無理じゃね?」

 である。

 

「どうされましたか? 細かいステータスとかは任意ですので、まずは必須部分からお願いします」


 と、受付嬢に急かされてしまい、慌てて必須部分とスキルを埋めて渡すと


「えっ、その若さでジョブレベル5!!

 でも書記では……う〜ん。少しお待ちいただいてもいいですか?」


 そういうと受付のお姉さんは奥へと進んでいった。その間に情報を整理する。

 どうやらこちらの言葉や文字がわかるのはジョブスキルの『翻訳』の影響だろう。


 しかし何だ、このステータスとスキルは。っと、見ていると合気道Lv1をみて色々と察してしまった。


「これって前世で会得したスキルが反映されてるのか!」


 前世というほどの感覚ではないが、若返っているし嫌な過去なので、もうそうしておこうと決めた。


 確かに俺は小学校から高校までの十年ほど合気道をやっていたし、就職してからの20年間、独り身で他に趣味もなく、節約を兼ねてそれなりに自炊をしていた。


 しかし、それでもスキルレベルが低いのを見れば相当に上がりにくいのだとわかる。

 だとすれば、家にも仕事を持ち帰り、休みらしい休みもなく、働き詰めで二十年かけて上がったジョブスキルレベル5に驚くのも無理はない。

 どういう理屈か反映され方なのかはわからないが、以前の生活からスキルを持ってきてはいるが、やはりここは剣と魔法のファンタジーなのだろう。


 仕事で数ヵ国語マスターして、書類やメールもこなしたが、こちらの言語を見ただけでわかるのはスキルの補正があるのは間違いない。

 問題なのはその影響で戦えそうなスキルは合気道くらいで、そんな護身術で魔物と倒せるかということである。

 

「お待たせしました。中でギルドマスターと副ギルドマスターがお待ちです。そちらで今後のお話をさせてください」


 戻ってきた受付嬢はそう告げ、こちらにも緊張が走る。こんな戦えないステータスで特別扱いというわけでもないし、帰らせるわけでもない。

 かといって憲兵に突きだすというわけでもなさそうなので持ち前の自棄で部屋の中へとついていく。

 

 そこで思わぬ言葉を聞かされたのだった。



  「君、ここで働かないか?」


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