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難しい問題
「うーん。なんで、世界征服をしたい気持ちになったのか、ちょっと読んでみようか?」と、女神は提案をした。
ハツミ「ぜひ、お願いしますなのじゃ」
「えーと、そうだね…。シュウは両親が、特にお母さんが大好きだったようね。
だから、世界征服をして、その世界をお母さんにプレゼントすれば喜んでもらえるから、帰れるんじゃないかって…。
記憶がないし、異世界に来たのが子供の頃だったし。何か、混乱して、この野望が心の支えになっている感じね、どうやら…」そう言って仕方ないとはいえ、人の心が荒む原因をつくってしまった女神は、眉毛を八の字にして、切ない表情になった。
「そんな、そんな風に心が出来ているなら、竜騎士に何をしてあげればいいの…?」ソナは、ハツミが性格上耐えている分、悲しみを出して言った。
続く
たくさん見れば、幸せはあるのに。過去だけ見れば、不幸しか見えない。荒れる心に、どう触れあえばいいのか。難しい問題だ。