表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

under 500 Ⅱ

中二病、急に12秒

娘がたまに、変になる。


今まで、J-POPなるものしか聞いていなかった。


なのに、急に洋楽に縦ノリし始めた。


朝ごはんの時間だというのに。


これでは、いつごはん粒が飛んできてもおかしくない。


でも、その心配がないことを、毎回思い知らされる。


ヘッドホンから洋楽が漏れてくるのは、わずか12秒。


そのあとは、ヘッドホンも外し、律儀中の律儀になる。


逆に怖い。


一日中だったり、12秒が複数回あれば、受け入れられる。


でも、わずか12秒。


その12秒に、憧れ、夢、希望、背伸びを詰め込んでいるのだろう。


「時間はあるから、ゆっくり食べなさい」


「うん」






12秒の中二病。


急に洋楽を聞き始めること。


それだけが、ずっと続いた。


そんなとき、急に夕方まで、洋楽を聞かない日がやって来た。


怖かった。


次の中二病に移行する気がして、怖かった。


すると、夕飯時。


娘が、突然喋りだした。


「今までヒットして、ブレイクしてきた洋楽アーティスト、全部、ブレーク前から注目してたからね」


粘っこい感じの喋り方で言い、またすぐに律儀に戻った。


「そうなんだ」


それしか言えなかった。


ストップウォッチを持っていた訳ではないから、正確ではないが。


娘のブレイク予言自慢も、12秒だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ