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大好きと言えなくて

作者: 春暉

初投稿ですーっ!

可愛がってください♪


「 『大好き』 が、言えたらな・・・」


君と出逢ってから、そんなことばかり考えてしまう。


君を見る度に、君と話す度に、君と離れる度に・・・。


君は憶えているかな?


僕が初めて君に話しかけた日のことを。


君は、男女問わず人気者だから、


憶えてないかもしれないけど。


僕は忘れられないんだ・・・。




入学した初日の日。


「君が私の隣の席ね♪ヨロシク☆」


「え・・あ、うん。よろしく」


突然、隣の席の女子から声をかけられた。


「なによ〜♪もっとテンション上げていきましょうよ♪」


第一印象。“チョーウザい”。

僕はどちらかというと根暗な方だ。小さい頃から、あまり友達が居なかった。

だから、こういう馴れ馴れしい人への免疫はまったく無い。


「うん・・・」


それに口下手、無愛想。誰から見ても、根暗でしょ?



―――だけど、この後、君がいった言葉で、僕の世界は大きく変わったんだよ―――。



「もー、暗いな〜・・・。でも、私はそういう君のトコ、好きだよ?♪」


――え・・・?――


・・・なんだろう?この気持ち―――。


――何かが、心の中で弾けた音がした・・・。


「ばっ・・!す、好きって・・・」


「ぁ〜〜っ!♪顔が赤くなってるよー?♪」


僕の隣の席の彼女は、顔をぐっと近づけて来た。


「し、知りませんっ!!」


僕は、赤くなった顔を見られまいと、後ろを向いた。


彼女の明るい笑い声が、僕の背中の後ろから聞こえてくる。


急に、彼女が笑っている顔を見たくなった。


でも、振り向けなかった。


振り向く勇気が無かったから・・・。




それからというもの、ずっとこの調子だ。

君と出逢って、僕は“脱、根暗”を果たした。

しかし、なんというか、ヘタレにクラスチェンジしただけのようだ。

君を見る度に、胸が苦しくなるような感覚になる・・・。

自分の想いを、言葉にすら出せず・・・。




あの日の後も、君の笑顔を見る勇気は出なかった。


クラスが変わり、君は学年の中心的な人物になった。


君は、皆の人気者になった・・・。


三年という月日が経った今。


結局、君の笑顔を隣で見ることは出来ないまま、


今日、僕たちは卒業してしまう・・・。




卒業式。

当日だよ、今日は・・・。

今思えば早かったなー・・・。


みんな卒業証書をもらった。中には、涙を流すヤツもいた。

僕も危うく泣きそうになった。

ま、泣かなかったけどね。


卒業式も終わり、卒業生のみんなは在校生との写真撮影に勤しんでいる。

僕は、年下のお友達なる存在はいない。

つまり、とっても暇なわけさ♪


「あぁー!こんなトコに居たんだっ♪」


暇なへタレという肩書きの状態の僕のところに、君が来た。


「もーっ、探したんだよ〜?♪」


・・・また、胸が苦しくなる・・・。


「探したって・・・。なんで僕なんかを?」


当然の事ながら、僕はそう訊いた。


「なんでって・・・。嫌、だった・・?」


急に君は、不安そうな声になった。

あわわ、そう言いたかったんじゃなくて・・・。


「違う違うっ!そうじゃなくて――」


「じゃ、いいよね♪」


君はさっきまで泣きそうだった顔から、いきなり笑顔になった。

しかも、僕の顔の超至近距離で。


――ぁ・・・。――


・・・君の笑顔を見た・・・。

隣というか、なんというか・・・。

ともかく、笑顔が見れた・・・。

それが、とても嬉しくて・・・。


僕と君はベンチに座った。


「卒業かー、早かったね♪」


「うん、早かった」


君と出逢ってから、とても時間が早く流れた。

でも・・・



――この後、君がいった言葉が、また僕の世界を変えたんだよ――



「ねぇ、憶えてる?」


突然、君は訊いてきた。


「えっ?・・なにを?」


「初めて、私たちが出逢った日のこと・・・」


・・・・今、なんて・・・・?


「あの日、私が君に言った言葉を――」


「『もー、暗いな〜・・・。でも、私はそういう君のトコ、好きだよ?♪』」


先に口が動いていた―――


君はビックリした顔で、僕を見つめてきた。


「だったかな・・・?」


全て憶えているのに、忘れることがなかったのに。


僕は聞いていた。


聞く必要なんてなかったのにね。


「今、僕と君と、想いは通じているかな・・・?」


突然、君は泣き出した、


「ぅぅ、うぇ〜〜ん・・・。」


子供みたいに・・。

って、俺が泣かしちゃった!?


「えっ!?ちょ、だいじょう――」


「憶えてるなら、なんで告白してくれなかったのよっ!!」


君は急に顔を上げ、涙で赤い瞳を僕に向けてきた。

・・・というか、怒ってる・・・?


「えぇぇっ!?」


「どれだけ待ってたと思ってるのよ・・・」


彼女は、涙で濡れた顔を、僕の胸に埋めてきた。


・・・今なら、言えるかな・・・。


「・・・大好き・・・」


君は涙で赤い顔を上げて、僕を見た。


「今までずっと、そして、これからも・・・」


「うん。・・・わたしも・・・」


僕たちは、お互いを抱きしめた。

三年間分の想いと共に。

これから先、ずっと、離れ離れにならないように・・・。


「・・・大好きだよ・・・。」



感想・ご意見等、幅広くお待ちしております♪

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― 新着の感想 ―
[一言] 感想と言う訳じゃないけど、受験頑張って下さい!! 因みにわっちは全く勉強してませんでした!! *因みに頭はあまりよくないです… でも受かったっす…なんか……
[良い点] なかなか深みがあるいい話だと思います [一言] こんにては(ん?こんばんわか?) バグです。 なかなか面白い話なので感想を書いちゃいました〜〜 これを連載とかしたほうがいいと思ういます。…
[良い点] 好きな人にいってもらった言葉をずっと覚えてる主人公の気持ちが伝わってきました。 [気になる点] これと言ってない [一言] 大好きな人に大好きって伝えるのって難しいですよね… どうせ自分の…
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