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短編小説

春野春男の生活

作者: フルビルタス太郎

注意!!

Wikipediaに載っていた中二病の典型的な症例を見て書きました。

なお、作中で春男が言っていることは適当で、正確性に欠けています。悪しからず。

 その日は、よく晴れていた。

 昼。暗黒破壊神の生まれ変わりである僕は、洋楽を聴きながら缶コーヒーを飲んでいた。

「ふぅ、暗黒魔力成分が体内に満たされていく…」

 僕は内心、美味しくないと思いながら空き缶を机の上に置いた。ふと、壁に貼ってある人気バンドのポスターに目を留める。最近、有名になった彼らだが、僕は彼らが有名になる前からその存在を知っていたし、曲も評価していた。

 その事で昨日は、盟友である佐藤健と大喧嘩をしてしまった。喧嘩の理由は、彼らを昔から知っている、いないだのという些細な事だった。我ながら、子供じみた事でムキになってしまったと反省している。

 明日、佐藤にどう謝ろうかと考えていると突然、ドアが開いて母が部屋の中に入って来た。

「ちょっと、春男。あんた、勉強は終わったのかい?」

 母はそう言った。

「母さん。僕は出来る子なんだ。だから勉強なんて無駄なことをやる必要はないんだよ?前にも言っただろ?それと、プライバシーは守ってくれないかな?息子といえど、それは必要なことなんだ。わかるだろ?プライバシーの遵守ッ!それは大事なことなんだよッ!」

「はっ、何がプライバシーだね。そんな遊んでばっかりじゃ、アメリカの大学に行けやしないよ。いいんだね?」

「いいさ。別に」

「あれま。昔はあんなにアメリカ、アメリカって口うるさく言ってたのにさ」

「アメリカ、いや、アメリカだけじゃないな。この世界は汚いんだ。保険会社の社員は、ノルマをこなす為に親戚や友人に頭を下げて保険に入って貰ったり、自腹を切って自分で保険に加入しているらしいじゃないか。僕はこの世界が汚れてしまった事を知ってるんだよッ!だから、アメリカに行きたくはないんだ。わかるだろ?」 

「訳わかんない事、ぐだぐだ言ってないで、勉強しっかりやりなッ。でないと、夕飯抜きだよッ」

 母は東大寺法華堂の秘仏・執金剛神像の様な顔でそう言うと部屋から出て行った。

 僕は仕方がなく宿題という無駄な行為をする為、机に向かう事にした。


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