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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

何でも願いが叶う機械/世界が終わるとき僕は歓喜した。

作者: ポット


2050年5月5日、僕は生まれた。

その日はこどもの日「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」というのもあり、そんな日に生まれた僕は大変ありがたがられ、父の、この子は恵まれた子に違いない、という意見から福斗と名付けられた。

きっとこの子の将来は素晴らしいものになるんだと両親は疑わなかっただろう。



僕もそう思う。だって..





あんな機械を手に入れるなんて。







あの機械を手に入れたのは僕が生まれてちょうど10年たつ時だった。母と買い物に出掛けていた。近くにあるスーパー。両手いっぱいの買い物袋。犬がわんわん吠えている。いつも通りの日常。いつもと違うのは車が母に突っ込んだこと。母が転倒し頭をぶつけたこと。周りが大声で騒いでる。何がなんだかわからない。




つ、妻はどうなったんですか!?

残念ですが○○様は病院に運ばれた時点で手の施しようがありませんでした。○時○分ご臨終です。

そんな..そんなぁ..




何がなんだかワカラナイ。




..福斗。

これお母さんからお前当てだ。



「福斗へ

10歳の誕生日おめでとう!!

今日も福斗が元気でいてくれてお母さん嬉しいな。ねぇ、知ってる?福斗って名前はお父さんが付けたんだよ?なんでもめでたいって意味があるんだって!私も名前考えてたのに勝手に決められちゃった!お父さんはずるいよね!今となっては福斗って名前で良かったぁて思ってるんだけどねぇ(笑)お父さんには内緒よ!絶対調子乗るから!

ところでプレゼントは見てくれた?福斗がしてほしいことなら私達が何でも叶えてあげるね!愛してるよ 母より」


何でも願いが叶う機械





当時の僕がその後何をしたかなんて言わなくてもすぐわかるよね。




ごめんなぁ..お母さん遠いところへ行っちゃんだ。

その願いだけは叶わないんだ。ごめんな..




僕は子供だった。母から貰ったプレゼントが人を生き返らすなんて無理なことを知りながらも信じたくない気持ちが現実を考えることから逃避した。懲りもせず父へどうして願いが叶わないのか何度も聞きに行った。




バチーン

いい加減にしろ!

もう○○は死んだんだ!帰ってくるわけないだろ!




ほんと笑えるよね。自分だけが辛いわけないのに、思考放棄してさ、ビンタされても気にもせずさ、父に何度も聞きに行くんだぜ?

許してくれよ。まだ10歳で子供だからさ。


それでさ、妻を失くした父がさ変になった子供を見たらどうなるか想像できる?


家の場合はさ、子供がすることに反応しなくなったんだぜ!笑えるだろ!

もちろんおかしくなった子供が学校でも変な事するのは当たり前だよな?


もちろん虐められたよ。最初は優しく見守ってくれてた子達も、僕が頑なに母は生き返るって言うのを聞いたらさ、避け始めるんだ。意地悪なやつが僕に目を付けるなんて当たり前だよね。




お前馬鹿だなぁ。

死んだ人間が生き返るわけないだろ?


じゃあどうしたらお母さんに会えるの?


お前も死んだら会えるよ(笑)

ほら殴ってやるよ。





だからさ!こんなセカイが終わってもいいなんて考えても許してくれよな!まだコドモなんだから!

ご覧くださりありがとうございます。

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