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LV66 1/1(金)-3
「戻るぞ! 俺達の世界に! あんな奴のいう事気にするな、時間が無い、急ぐぞ!」
俺は焦点の定まらない目で、遠くを見ていたゆるふわちゃんを現実に引き戻して声を掛けた。
「俺の迎えがもう来ているはずだから、早く急ごう。0時になると迎えは帰って二度と戻れなくなる。残り、あと2分、場所はすぐそば、全力で走れるよね?」
俺の説明をジッと目を見て聞いていた彼女は小さく頷き、昼間の喧騒が全て消え去った静寂の街の中を走り出した。帰還するために……
残り300mを全速で駆けた。もうじき、0時になる。シンデレラの気分だぜ、出来ればこのまま魔法が解けてくれればバンバンザイだが、そうはうまくいかないのだと言うところだと思う。
初音さんのアパート跡地、俺が確認した、妹達が確認して妹達が居なくなったあの場所。今もそこには黒光りした地面があり、以前には有ったか無かったか記憶にないがれきの山がアパート跡地の周囲を取り囲んでいた。
くそ!誰もいない。
………………時間は、スマホの表示は、既に……
0:00……
次の日………
12/31の0:00になっていた。
しまった、間に合わなかった!!
俺はその場に崩れ落ちた。




