LV62 1/2(土)-6
ある日、ゆるふわちゃんは困っている自分を助けてくれた恩人の俺に好意を持ちました。それは、一方的な片思いであることは理解していました。そこで、思い切って思いを伝えようとしたのですが、その俺には既に決まった人がいることが解ったのです。そこで、ゆるふわちゃんは願いました。その人と別れて自分の元に来るようにと。ずっと願います。いつもいつも願います。寝ても覚めても願いました。
すると、それは叶ったのです。いつの間にか、ゆるふわちゃんと俺だけが過去に戻っていったのです。ゆるふわちゃんは嬉しくなりました。
出来るなら、その人を好きなったあの時にもうお一度戻って思いを伝えたいと。
「ゆるふわちゃん、なんか自分で言ってて恥ずかしいんだけど、色々ちょっと聞かせて」
俺はベッドの上で座り掛布団で身体を覆うゆるふわちゃんにそっと語りかける。彼女が、落ち着いた頃合いを見計らって顔色が大分良くなってから、俺は焦れる内心を表に出さないように細心の注意を払って話始めた。
「ゆるふわちゃんは、いつに戻りたかったの?」
俺を上目使いに見るゆるふわちゃんは、早速の質問に目線を落とし、
「……12月の25日……」
12月25日……俺は何をしていたんだ?このところ超常現象の安売り、デフレ、袋詰めそんな感じの毎日が続いているからそう遠くない事も、ろくに思い出せん。
「カフェで、夜、ご飯食べて、お母さんが倒れたって急に帰った日」
その日が検索できずにフリーズしていたであろう俺に助け舟を出して、きつめの視線を俺に送っている。ああ、そうか。そうだ、そんな事もあった。目の前のゆるふわちゃんにしてみれば、時間を遡らせたいほどに強烈な一日だったのだろう。それを思い出せない俺を見たらその表情になるのも頷ける。
「そうなんだ……でも、何でそれで、その日に? あ、さっき聞いたね」
聞いた聞いた。わからなかったけど急に思い出した。
「こんな事、言いにくいんだけど……その、それで俺の事が気になってってことかな?」
「違うよ! 好きになったの! 元々、いいなって思っていたの。それで、思い切ってメッセージ送って、一緒にご飯食べて、嬉しくて。嬉しくて。それで、急にお母さん倒れちゃって、どうしようってなったら、バスとかの手配とか全部してくれてお金も貸してくれて、すごく頼もしかった。そしたら、そしたらどうしようもなくなっちゃって、ずっと、ずっといっつも考えちゃって、考えちゃって……」
またも泣きながら俺をみている。
あんた、俺のメッセージとか電話とかガン無視でしたヤン。ホントわからん。女心。
この子がカメを呼んだのか?この子がカメなのか?この子が乙姫様なのか?どうしたら、降りれるんだ?
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