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召喚されたらリアルダンジョンだった! 自称女神との日常異国ライフ   作者: 樹本 茂
第三章 やり残したこと

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LV48 1/4(月)-3

「綺麗なもんだな」


俺はホテルの手前、1km程手前でタクシーを降りて歩いて橋と直行する運河の岸で、ただ川面に映る街の灯りを見つめていた。いつの間にか、ここも寒くなって夜には10℃を下回る様になった。まあ、でも、来月にもなれば、何事も無かったように2週間程度の長雨があり、それが止むと梅雨明けよろしく30℃を目指す日々がやってくるのだが……本来であるならば。だ。俺は未来へ行く術を失っている。その未来がやってくるのか定かではない。目の前の流れというものを見ることが出来ない幅200m程度の運河のほとりで石造りのベンチに座り、お尻の冷えが限界になり、ようやく、ホテルへと帰る気持ちを固めて後は実行に移すだけになっているのだが。


いま、時刻は1/4の23:58このまま、ここに居たらどうなるのか?1/5になるのか?実験中だ。


未来に行く方法が知りたい。当たり前のように過ぎていく時間に身を委ねていたい。俺の望みは……この不思議な現象から脱して、あの毒殺魔とまた、楽しく話したい。


そもそも、本当にこれは初音さんが仕組んだことなのか?そんな事が出来るのか?俺は今となっては懐疑的になっている。


なぜなら、あの人がこんなに長く種明かしせずにジッとしていられるはずが無いと思うからだ。とにかく待てないあの人が、直ぐ答えを求めるあいつが、直情的な奴が……考えたら、だんだん腹立ってきた。


いや、そう、初音さんは、おとなしく俺が困っている様をこんなに長い事、その辺りの陰からこっそり覗いていることなど出来ないと思うからだ。恐らく、あの人なら最初の一日目辺りで、得意満面の笑みで、種明かしして来るだろう。絶対……


随分と周囲は静まり返って来た。この街は喧騒と一言で現せるような、そんな単純な音を発するような街ではない。音を発することが出来るものは全て、最大の音量を伴い、恐らくここの生活歴の短い俺にだけ襲ってきている。そう思う。要は慣れなのだろうが、そこはなかなか慣れることが出来なかった。それが、今はなぜか静穏だ。……静音だ


結局、何も起こらずに時間は過ぎ……

スマホで見る日付は1/3 0:02 時間は何も変わらず過ぎたが……3分前は1/4だったものが一日遡行して1/3になっていた。


「そうか……一日跨ぐとこうなるのか」


ショックが無いと言えば嘘になる。最悪、寝なければ、未来になるのではないかという俺の唯一考えついた、浅い考え、方法が、目の前の情景の、連続する風景の、動かない運河の流れの中で何の変化もないのに、ただ一つだけ日付のみが遡行していた。


「こんばんわ」


背後から不意に声を掛けられ、俺は訳もわからずに、どこか遠くに行っていしまっていた意識を覚醒するように、睡眠から目を覚ますように、急激に現実へと戻ってきた。


「あ、あ、こんばんわ」


身体をねじり後ろを見た俺に、長い髪の女が風でそよぐ黒髪を顔のあたりで押さえて優しく微笑んで立っていた。そして、それを見た俺は挨拶をオウム返しで返すのが精いっぱいでもあった。たった今、遡行した事実、元に戻る術がない現実、俺は相当に心をやられていた。そんなところに、こんなところで、こんな時間に声を掛けられることが現実離れ、いや、既にとっくに現実離れして久しいが、声の主にしても、昨日か一昨日か、妹達を喪失したあの夜にWで食らった衝撃の一つの遠因、日本料理レストラン黒服部長、美麗(みれい)さんが何故かそこにいた。


月~金 17時過ぎ更新です。

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