LV43 1/6(水)-4 美麗
「すいません」
俺は注文をするために黒服部長に手を上げて呼んだ。
「お決まりですか?」
「ビールを……生中とホッケ焼き定食をお願いします」
「かしこまりました」
その女は俺からの注文をメモし、足早にいなくなろうとした。その時に、
「すいません。今日は初音さんは?」
俺に向き直る黒服が少し眉間にしわを寄せたように見えるがすぐに笑顔に戻して、
「初音さん……ですか?……この店の従業員の事ですか?」
「そうです。ここの部長さんの初音さんです。私は彼女の友達で怪しいものでは無いんです。なんなら、別の女の子に聞いてもらえれば、彼女との関係は分かると思いますが」
なるほど、怪しい奴は自分で怪しくないと言うんだと、怪しさ全開の俺が納得した時に、
「この店の部長で美麗と言います。ここ2年間、部長は私一人ですよ」
その2年間部長、切れ長一重のクールビューティ美麗さん。は、笑顔で俺に答えてくれたが、
「ごめんなさい。ちょっと急用があったのを思い出しました。ほんとごめんなさい。また来ます」
俺は目の前に黒い点々が高血圧か?低血圧か?よくわからないが心身に不調をきたしたらしい。目の前がグルグルしている。数mの店の中を小走りに逃げるように抜けて店の前に出た俺は、
「胡桃ちゃん、そっちに向かう」
設定を忘れ、メッセージを入れると残り数百メートルの道を駆けていた。
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