LV41 1/6(水)-2 ミッションインポッシブル
「なあ、妹達、理由を聞かずに頼まれてくれないか?」
「これは不思議な物言いだね。おにいちゃん」
俺は下のホテルのレストランで上下妹と共に朝食を食べているのだが、上下妹に初音さんの解毒薬の強奪を依頼すべく切り出したところだ。
「君達チームの能力を見込んで折り入って話がある」
食べるのに夢中だった胡桃ちゃんが食いついてきた。目を輝かせて俺を注視している。こいつが好きそうな言い回しを選んだ甲斐がある。
「兄上! 何なりとお申し付けくだされ!」
早速、一匹かかった。
「難易度はトリプルA+だ。いってみれば、史上最難関レヴェルだ。ここだけの話、あのイーサン・ハントに昨夜依頼したが、断られた。“俺のレヴェルではミッションインポッシブルだ。“と、断られた。そこで俺は、ここにきて地上戦力の最高峰である君たちチームの力を頼らざるえなくなってしまった事を申し訳なく思うと同時に、成功が約束された安堵感で包まれている……」
「ねえ、おにい、それいつまで続く?」
かぶりつく胡桃ちゃんと対称的にスマホを弄って時々、聞いている風な態度を見せていた梨花ちゃんが薄ら笑いながら、嘲笑しながら俺の話を止めにかかった。
「要は、何をさせたいのよ。報酬次第よ」
履いたピンヒールをパカパカさせて足を組んで、胴に入った悪党ぶりを見せる梨花ちゃんに、
「おねえの部屋に侵入して小瓶を奪取してもらいたい」
そう言った。
「いやよ!」
即答してきやがった。
俺も、これまで、黙ってこいつらの面倒を見ていた訳ではない、
「胡桃殿! この、この兄の願いが聞けぬと……聞けぬと申されるのか?」
もうこうなったら、下の妹だけでいいや、
「ならば、ならば兄はこの場で切腹いたそう。こたら、上下妹を育てたは、兄の責、ここに至っては是非もなし。死んで父上、母上にお詫び申しあげる。胡桃よ、兄の介錯を頼まれてはくらまいか?」
「……兄上~!」
胡桃ちゃんが泣いて一億℃の刀身を持つ雷刀を出してきた。
いや、そこはちょっとシナリオが違うよ。
「おにい、何でそんな事したいのよ」
俺と胡桃ちゃんの三文芝居を堪能していた梨花ちゃんが説明を求めてはいるものの、
「理由は聞くな。それが理由だ!」
俺は言った。
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