LV31 翌朝
俺が屋上でこの章の冒頭、一人語りをして悦に入っていたその時、屋上のドアが激しく開かれた衝突音と共に俺は現実に帰還した。そこには、かなり近くないコンビニまで走らされていた彌耶が両手いっぱいの荷物を抱えてハアハアしていた。
「ちょっと! 買ってきたわよ。おつりは返さないから」
何故かキレかげんの金髪ツインテールのちびっ子が俺を相手に牙をむいてくる。おそらく、二人に怒られた腹いせに、弱い奴認定された俺は数百円相当のおつりをせびるという暴挙に彼女を走らせたのだろうと心の中で消化した。
「やるよ。ちびっこ」
そもそも、要らねえよそんなハシタ金。おれはそのちびっこに目も合わせず吐き捨てるように言ってやった。
今は梨花ちゃんが呼び寄せた“爺ちゃん”待ちだ。本当の爺ちゃんではないが、前回の騒動の時に間に入って場を収めたそれなりの人物らしい。そして、今回まったくこちらからは手を出すことなかったのにこの状態なので文句の一つも付け、おまけに、恐らく、これが一番なのだろうが、この1ブロックを消滅させたことへの一切の責を否定するつもりらしい。
「妹共、朝ご飯だぞ」
屋上の壁にもたれて二人で抱き合っている上下妹に俺は声を掛けて起こした。今は、7時くらい。朝の冷え込みが最高潮になって、おそらく10℃を下回っている。
「さ、寒い……ぅぅうぅう」
梨花ちゃんが震えながらコンビニ袋を漁っている。胡桃ちゃんも起きてきて同じように目当てのアイスを探している。
食べんのか?この寒さで。
「彌耶、あんた何その髪の色?」
梨花ちゃんが鋭い視線を送ってパンをかじっている。
「綺麗でしょ?」
「そうじゃなくて、何で髪の毛金色で瞳が碧いんだって聞いてるの。あぁ、もういいや、大学デビューね。あんた、そういうの田舎もんっぽいから戻した方が良いよ。青やピンクよりは、ましだけどさ」
意外に辛口な事をいうんだな。隣でアイスを食べて固まっている下妹を見たあと、俺は笑顔を亡くした上妹の様子を伺っていた。
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