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召喚されたらリアルダンジョンだった! 自称女神との日常異国ライフ   作者: 樹本 茂
第二章 第二次広州会戦

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Lv外-2 俺、病院に行く

「だから、言ったじゃない!」


は、初音さん?

部屋のカギは……また嫁だって言ったね……


「ねぇ、言わないこっちゃないでしょう? 病院行くわよ」


俺は、やっちまった。この国で健康だけには気を付けていたんだが……

昨晩から2時間おきの激しい下痢と39℃越えの熱にやられている。


「初音さん、何故分かったの?」


俺がベッドの中から見つめれば、


「この部屋には監視カメラが4つ、万が一見つかった時のためにバックアップとして、隠しマイクが8つ仕込んであるのよ」


マジかよ。怖いわ。随分な事実を告白してきた。


「まあ、数字は適当よ。ふふふ」


カメラとマイクがあるのは事実ってことか!


「近くに土曜日でも、喜んでやってくれる病院があるから行きましょう」


俺は、初音さんに言われるままにタクシーに乗って10分ほどの大きめの病院に向かい、緊急受付なるところで受付を済ませ順番を待っていた。


「あなた、何食べたの? 安いものでも食べたんでしょう? 最近、来なかったものね。駄目よ。この国では値段がそのまま安全性に直結するのよ」


そうなんだよ、初音さん俺は毎晩、15円相当のラーメンを食べて暮らしていたんだ。


「ラーメン。15円」


「馬鹿じゃないの? 知ってるけど……そこまでとは、あなた日本人の誇りを忘れたの?」


凄い大きな話しになってるぞ、初音さん。


「あれはね、食うや食わずの人が行きつく最後の終着点……そんなところで、あなたみたいな温室育ちがいったらそうなるに決まってるじゃない。言ってみればラスボスと対峙出来るくらいの冒険者向けよ。あなたみたいな、街からすぐのオーク退治でも返り討ちにあうような初心者には無理なのよ」


初音さんのお小言が身に染みる。初音さんとは昨日、たまたま街であって俺の状態を知っていて昨日の時点で、こうなることを予見していて、心配がてら見に来てくれたのだ。ありがとう。


結構な人が待っている。20人くらい。


「ぅぅ、お腹痛い 1時間くらいかかるかな?」


俺が初音さんに涙目で訴えると、


「ちょっと待ってなさい」


そう言って消えていった。あ!この感じヤバい感じ。あいつなんかねじ込む気だ。


しばらくすると、


「話しは付いたわよ。さぁ来なさい」


マジか?すまん。待っている人。


「でも、こんなに待ってる人いるのに、いいのかな?……」


俺が初音さんが掴んでいる手を躊躇ためらいがちに握っていると、


「いいのよ。お金で特急扱いにしたんだから。この病院のシステムを使っただけよ。あなた、私が無理を通したとでも思っているんでしょう?」


そうだよ。あんたならやりそうだからな……でも、それは俺の事を思ってなのか……



「わたし……むかし……こうべに……いました」


30代前半くらいの眼鏡をかけた真面目そうな男の先生が、俺の目の前で微笑んで、ご自慢の日本語でやさしく話しかけて来た。


先生……ごめんなさい。今は、異文化コミュニケーションを楽しむ余裕がないんだ。また別の機会に頼む。


もはや、この先生は目の前の患者の俺を完全に意識の外に置いて、初音さんの説明に聞き入って診察中だ。


治療方針は決まったらしい。初音さんとの間で……


処置室にて:


おれは点滴を打たれるらしい。痛恨の極み。痛恨の一撃。進退極まった。この国で身体にいれるものは、飲食以外はお断りしたいところだが……


処置室、どんなところを想像されるでしょうか?

小奇麗な寝台があって下手するとモニタか何かが有って動画的なものでも見ちゃうようなところでしょうか?


実際には、広さ20畳くらい。パイプ椅子が30脚くらい円形に並べられ、なんならフルーツバスケットでもやりそうな、出来そうな、そんな配置に、なぜか、大型の直径1mくらいの金属たらいがところどころ、数個、足元に転がっている。患者は10人程、同じように点滴を受けている。


そうか、ここで俺も体内にこの国の注射針を入れられて、しまうんですね?

針は既に点滴にセットされ新品かさえ分からない。いや、新品だ。俺は、ここで認知バイアスを発動させた。


看護師がブッスリ俺の右手の腕の内側に何のためらいもなくいった。

あ~。俺、終わった……


俺が、この国の医療水準への不当な偏見で自分自身を追い込んでいたら、俺の右隣、パイプ椅子にして5個隣のおばさまがやおら、”おろぁ”といいながら大型たらいにリバースされている。あ~。こうやって使うのか。こうやって使うんです。覚えといて下さい。使わねぇか。


俺は、緊急扱い、休日診療、お腹の薬と熱さまし、ついでに、ここんとこ空気が悪すぎて咳が止まらなかったのを初音さんが気にしていて、その咳止めと数日分もらって、およそ5000円相当で支払いを済ませ帰って来た。


………………

スッキリした。何だこれ?今は16時くらい、あれからホテルに戻って薬飲んで、今、起きたとこ、驚くくらいに調子がいい。熱は36.5℃。咳なんてどこ行った。腹の具合いもいいぞ。ヤバい、これ相当強い薬だろう……日本ではあり得ないくらい檄効きだ。特効薬だ。……あぶねぇな……


「ぁぁ~。起きたのね」


なぜか、俺と一緒に隣で寝ている初音さんが、俺のおでこをさわさわしながら、


「熱下がったね」


嬉しそうに微笑んでいる。


「仕事は?」


「大丈夫よ。私シスターズがいるから。でも、あなたには私が必要でしょう? だから、私はここにいるの。それを特別恩義に感じることは無いわ。だって、あなたも同じことをするでしょう?」


俺を見つめる瞳……あんた時々、そんな澄んだ瞳で俺を見つめるよな……でも、今日は、


「ありがとう。初音さん……」


「お礼なんかもいらないわよ……」


あんた、大物だな。


……異国での病気はほんとに気を付けましょう……

月~金 17時過ぎ更新です。

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