LV26 胡桃ちゃんのサンダーソード
近くでそれを見ていた胡桃ちゃんが、
「兄上、買っていただいた三日月宗近の刀身を折ります。ごめんなさい」
俺の前で名刀を見ながらことわりをいれてきた。
何か知らんがどうぞどうぞ。
胡桃ちゃんの指先が青く光って一瞬閃光を放つと冬場の静電気のような音を立てて名刀の刀身は柄から上の部分がきれいな切断面を残して消え去っていた。
名刀は金属製だったのか……あぶねぇな。プラスチックか何かと思っていた子供のおもちゃが意外にも固そうなことから何処かに文句も言ってやりたい気分だったが、そんな気持ちもすっ飛ぶような光景を目の当たりにした。
「雷刀」
胡桃ちゃんが静かに元名刀の柄だけもってそう呟くと、今まであった刀身の代わりに青白い閃光を発しながら刀身の形状をした火花の集合体が出現している。ガスが勢いよく噴き出すような、こもった音が聞こえている。
それを二、三度振って具合を確かめると”ちょっと軽いな……”と言って胡桃ちゃんは青白い刀身を見つめている。注視するにはあまりにも眩しいそれを視界から外し胡桃ちゃんに何それと問えば、
「これはプラズマ放電で刀身を形成しています。この辺りは一億℃を超えているので触ってはなりませぬぞ!」
とアイスを持っていた時と同じ真剣な表情で俺を見返してきた。
「では、行って参ります」
そう言うと、一気に発火炎の見えていた方向へと斬り込み入れるために走り去った。
「殺しちゃだめよ!」
暇そうに変圧器BOXに手をついていた梨花ちゃんが胡桃ちゃんに、妹にかける掛け声としては、かなり不適切な言葉を投げて、俺に話を継いでくる。
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