LV24 招待状
俺が店の外で待っているとチラシ配りのあんちゃんが俺にクレープの割引券と手紙を渡していった。白い小さめの封筒に招待状と書いてある。中身は……読めねえ……捨てるか。
「おにい。お待たせ」
「もう、お前らとは来ない」
俺が妹達に不満をぶつけていると、意に介さない下の方が、
「それ何?」
とクレープの割引券に目を移し俺から受け取り、どれを食べるか検討中だ。
「その封筒は?」
俺が捨てようと思って持っていた、白い封筒を目ざとく見つけた梨花ちゃんが中身を見ていた。
「胡桃! これ」
梨花ちゃんの様子が明らかにおかしい。
いや、もともと外側からは分からない、一緒にいないと知る事のないおかしさというものを持っていたが、今の上妹は分かりやすいくらいに判別しやすく識別できる怒気を表情からみせていた。
「やりましょう。梨花ちゃん」
「おにい、ちょと野暮用が出来たわ。先、帰ってて」
綺麗に整った梨花ちゃんの顔が冷たく俺を見つめ、半ば命令の様な口調で俺に伝えてきた。さすがに俺でもその表情から普通ではないことぐらい察することは出来る。
「梨花ちゃん。俺はお前のおにいだろ? 理由を言わずに帰れと言われて、はい、そうですかと帰ると思うのか? 危険な事ならなおさら行かせることなんかできないよ」
たまには正論を言う俺に、
「これから、決闘してくるから」
梨花ちゃん、俺は決闘なんて言葉、少年漫画誌以外で見た事も聞いたことも無いし、リアルで聞いたことなんか初めてだぞ
「梨花ちゃん、その決闘ってのはしないといけないのか? しなくてすむ方法は無いのか?」
と、問えば、
「おにい、この国で信用できるものは何か知ってる?」
真顔の可愛い顔が俺に聞いてくる。そして、俺が金?女?名誉?と時代がかって劇画がかった答えを言っていいものか悩んでいると、
「家族だよ。この国では家族が一番信用できるんだよ。その家族を脅すようなことを言われたら、私は全力でそいつらを潰してやるしかないの。そして、それが今なのよ」
梨花ちゃん、今、この物語はボケ不在だぞ。いいのか?
「行くなら俺も行く、俺が行けないなら行かさない。どうしてもと言うなら、俺を倒してから行け!」
人生の中で言ってみたい10のセリフ。今日ここで使うようになるとは。でも、本当に本気出されたら俺はお前に倒されるからな!手加減しろよ!
「おにい……」
俺があまり見せない。半裸の妹に脅されても見せなかったような険しい表情で梨花ちゃんを一睨みしたせいだろうか、梨花ちゃんの緊張した表情が次第にあきらめのそれに代わり、
「わかったよ。私から離れないでね」
諦めたように、お許しをいただいた。
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