LV17 そもそも二人は
「おい、妹よ。その呪いとやら詳しく」
おれは妹の軽い感じにただならぬ何かに気付きながらも、平静を何とか装い質問を返す。
「それを聞くの? 気をしっかりね……良い?」
俺の目を見て右の眉を少し上げた妹は、
「動物になった人を知ってる。狸みたいなやつ。あとは、原因不明の熱病でおかしくなったり……」
半笑いの妹の表情からどの程度、信ぴょう性があるのか甚だ疑わしいと思いながら聞いているのだが。
「そう言えば、政光殿が腐って落ちてったって人の話も聞いたことあるよ」
そう言うの怖いって、怖いよ。
俺は政光殿を両手で押さえてしばし愛しむ。
「……ねぇ。ねぇってば」
その瞬間を想像し、お先に地獄の苦しみを自分で想像ならぬ創造していた俺は、妹の声で現実へと帰還したが、
「要は契約破棄しなきゃいいだけなんだから簡単なことでしょう? おねえのこと好きなのよね?」
ちょっと待て、それって……もう、後戻りできないんだ……そうか……そうなんだ。
俺は今後についてしばし逡巡する。
考えまとまらず……
「お兄ちゃん、おねえとどうやって出会ったのか教えてよ。私、そう言うの大好物なの」
あ~。目がキラキラしている。
このやり取りで心の損耗が著しく激しくなった俺は、目の前のあからさまに興味本位です。といっている顔を横目で見やり、少し前、半年くらい前の事、まだ雷をぶっ放すなんて知る前の事を思い出していた。
それは、初音さんという女性が、俺の心の中で住むべき場所を確立したあの日の事であった。
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