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プロローグ
20代も半ばを過ぎた。
俺は国立大学の工学部を出て、県内ではまあそこそこ良い土木関係の仕事につけた。
それなりに彼女も何人かは出来たが、なかなか長続きしないのが難点だ。
残業の多い職場だったが、業務内容自体にはそこそこ満足していた。
そろそろ今付き合ってる子と結婚かな、そう考えていたある日、俺宛に一通の手紙が届いた。
白い封筒には、桃色の便箋が入っていた。縦書きで文字が記載してある。その古風な書き方に既視感を感じた。
ひらりと一枚の写真が、封の中から落ちてくる。
その写真を手にした時、高校時代の甘苦しい想い出が蘇ってきた。
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