007 我、魔術師にあらず
とりあえず変な耳の盗賊改め、お頭のドワンドくんの拘束を解く。事前に武器類は木箱にしまってある。暴れられたくはないし、自決する可能性もゼロというわけではない。まあ仕舞ってあるだけなので蓋を開けたらコンニチワしてしまうが。
拘束から解放されたドワンドは立ち上がり身体を軽く動かしながら身体の調子を測っているようだ。今のところ怪しい動きはない。そんなことされたら即座に襲いかからなくてはならなくなる。
そして身体の調子を測りながら俺の方をチラチラと視線を寄越している。
「なんですか? 気になることでも?」
すると大げさに身体を震わせる。
「あ、いや、……なんでもねえ」
なんでもないって感じではない。まあ子どもの言いなりなんて本当は嫌だよな。だが、そこは自業自得と我慢してもらわないと。
身体の調子を測り終えたのか、正しくこちらに体の正面を向けるとその口を開いた。
「仲間の拘束も解きたい。かまわねえか?」
「それはまだ待ってください。そこまで僕はあなたを信用してませんので」
するとこれでもかと目を開きこちらを凝視してくる。いや驚いてるところ悪いけど、自分の命狙ってきた奴らをそんなすぐに信用できるもの? 俺がおかしいの?
そうだな。俺も武器の一つでも装備しなければ。
シミターでもいいけど、途中で刃こぼれしたら嫌だもんな。その点トシは壁や地面に打ち付けても無傷であることは試験済みだ。
故に、側まで歩いて行き、壁から引っこ抜いた。
〈……愉しそうな盗賊との会話中、ずっと自分、放置だったっすね〉
なんかすごい拗ねてるし。もしかして話しかけてこなかったのではなく、話しかけられなかったのだろうか? あとで聞いてみよう。
トシを剣帯に納め、元の場所に戻るまでの間、ドワンドはその場から一歩も動かず、座るなどのこともしなかった。
「あんたのことはなんて呼べばいいんだ?」
ふむ……。
「ツクメ」
前世で生活した癖が抜けないのか、現代社会において本名を名乗ることがおっくうになりかけていた俺はそう答えた。
「ツクメ?」
頷く。なぜか咄嗟に思い浮かんだ名前だ。
「変わった名前だな」
そんなことを言うその顔をじっと見つめる。たしかに変わってるかもしれない。
「あ、いやっ、馬鹿にしてるわけじゃねえ。聞き慣れない名前だからよ」
〈なんで偽名なんす?〉
今は答えられない。教えるなら後だとして指を三回タップしておく。事前に決めた意味は『その他』だ。本当に答えて欲しいならトシだって『はい』か『いいえ』で答えられるように質問してくるだろう。
「ならツクメよ、さすがに俺一人じゃ何もできねぇ。何をやらせるつもりかは知らねえが、子分どもを解放してくれた方が成功率が上がるぜ?」
何をやらせるって、仇を討たせてやるって言ったのに理解出来ていないのか? コミュニケーションって難しい。
「……その前に聞きたいのですが、あなた方の中に魔法を使える者はどの程度いますか?」
「ま、魔法ぉ?」
この質問にかんしてドワンドがあまりに思いがけないといったふうに声色が跳ね上がった。
変なことを言っただろうかと俺は首をかしげるだけだ。うん、でも思い返してみればこの世界に来てから魔法を使ったのってまだトシだけだな。もしかして一般的じゃないのか?
「魔術ってことだよな? まさかアンタは使えるのか?」
魔法じゃなくて魔術っていうのか? とりあえず俺は剣帯から解放したトシを正面に構えた。単純な脅しである。
「もう一度聞きます。あなた方の中に魔法を使える者は何人いますか?」
だってしょうが無いじゃん。互いに質問だけしか返さないんじゃ話が進まないよ。
「……いねえ。一人もな」
嘘はついてないようだ。危険度が下がったと思って良いだろう。
リボルバーなんて持っているんだ。それに命中精度もよさそうだった。文明レベルも測っておいた方が良さそうだ。
「ならば、音声認識可能な機器は何かしら持っていますか?」
〈先生! スマートフォンも音声認識可能な機器に入るんでしょうか!〉
「持ってない。それを手に入れるための金も身分もない」
……なるほど。言葉が通じてしまったぞ。
トシのくだらない質問にはタップ一回で答える。もちろんYESだ。ただの単電話機能の携帯なら入らないがな。もしソレを入れてしまったら糸電話も範疇になってしまう気がする。
まあ今の俺に想像できるのはこんなところか。
「ならば猿ぐつわのみ外す許可を与えます。手枷足枷をはずすなど、自由を増やすような行為をしたら、アナタではなく、その部下の方を二度としゃべられないようにしますので」
神妙にうなずいてくれるドワンド。
俺はといえば盗賊たちの猿ぐつわがはずされる様子をその背後からじっと見守る。
「お頭、すまねえ」
「言うな」
猿ぐつわをはずされた盗賊たちはみながすでに目覚めていたようで、思い思いにドワンドと言葉を交わしていく。
ちなみに今謝ったのは入り口のところにいた盗賊Aだ。全員ここに集めているから、外から助けが来るようなこともないはずだ。……はずだよな?
「つかぬ事をお聞きしますが、ここにいる以外にお仲間は?」
なんかすっごい悔しそうなお顔。
「……いねえ。ここにいるので全員だ」
なぜ言い淀む。警戒レベルを少しだけ上げておくことにする。
一応、全部で9人か。まあ他に五人ほどいたようだし、そこそこ多い方なのかな?
ドワンドは猿ぐつわをはずすと同時にさりげなく全員を中心方向へと身体を向かせた。たしかに俺を見るなとかは命令してないから、まだ許せる範囲ではある。けど勝手に動くの、本当は駄目なんだからな!
「では先ほどの質問に対する答えはこれです。――アクアスプラッシュ!」
〈ここでかっ!?〉
トシは意表を突かれたようで慌てたようだ。
そして多少のタイムラグとともに壁に水球がぶつかり水しぶきが飛び散る。
「なっ?!」
幾人かの驚きの声が重なった。
「ま、魔術師……」
「単一詠唱……」
「それもこんなガキが……」
思い思いにつぶやいてくれる盗賊団。驚いてくれて何よりだ。見せた甲斐がある。
そしてポーカーフェイスを維持しながらもご満悦な俺の耳に笑い声が響いてきた。ドワンドである。
「まじかよ! アンタすげえな! 驚いたぜ!」
なぜか喜色満面って感じである。むしろこっちが驚く。さっきまで難しい顔してたのに。……ああ、仲間になるとでも思っているのか。
まあ先ほどの反応から魔法改め魔術を使える者がそれほど多くないのは予想できた。ならば救世主のごとく俺が使えたならどうなるか……ってところだな。
ちなみに俺は他人にチヤホヤされたいお年頃というやつだ。
「これならやれる。やれるかもしれねえ」
なにを、とは聞かない。たぶん仇討ちのことだろう。
なんか盛り上がってるドワンドをとりあえず放っておき、そろそろ起きないかなと子どもエルフの元に向かった。
……ああ、やばい。女日照りどころか友人日照りでもある俺は他人のぬくもりに餓えている。内なる悪魔の色欲さんさんも大ハッスルしようとする。オイタをするな! どう考えても洗濯板でしょ!
寝顔を見つめる。すごく可愛い。保護欲そそられる。犬や猫に負けない可愛さである。お家に持ちかえっ……もといその成長を愛でたい。
年頃は、小学校は卒業してない感じだろうか。コーカソイド系に見えるから適当だけど。
なんていうか30歳で魔法使いになれなかった反動からか、心の枷が弱くなってきている気がするな。
他人の家の子を攫ったらいけないでござる。これ常識。
「ドワンドさん、この子はただ眠っているだけですか?」
これだけ騒いでもまったく目を覚まさない。
「そのはずだ。息をしているのは確認した。放って置いたら覚めるんじゃねえか? 死ぬなら商人から攫った時点で死んでるはずだ」
攫うのに失敗した拍子に事故で死んでしまう、そんなニュアンスではないように感じる。
「どういうことですか?」
「その奴隷の首枷だよ。主人の許可無く離れると装着主が死ぬように仕掛けることができる。だが街からけっこう離れても死ぬ気配がねえ。そういうことだろ?」
〈さっすが異世界っすね。ファンタジーしてるっす〉
「……つまり、仲間が無駄死にすることも覚悟してこの子を攫ったと、そういうことですか?」
「無駄死にはならねえ。死体でも回収するつもりだった」
まさか死体愛好者か? それとも人肉嗜食っていう可能性も……。さすがの俺でも身の毛がよだつ。
「死体をどうするつもりだったんですか?」
弱みを見せるわけにはいかない。スーパー無表情で臨ませて頂こう。
するとどういうことかドワンドは訝しげな表情となり『何を言ってやがる』なんて言いたそうな顔を見せる。
ここだと常識なのだろうか。業が深すぎやしないか異世界。
「エルフのことを知らないのか?」
……ふむ。
とりあえず俺は無言でトシを構えた。
「あっ! え、えーとだな! まず、エルフっていうのはかなり珍しい種族だ。縄張りから出て人間と交流することなんざ滅多にないらしい。そしてその身体は捨てるところがねえって言われるほどの素材だ。く、詳しくって言えるほど俺も知らねえが、『その目玉は盲目の、その耳は難聴の、その喉元は美声をもたらす薬となる』なんて言われるほどだ。他にも『その体液はどんな精製物にも劣らぬ甘露であり、肉体を活性化させる強壮の素となる』と聞いたことさえある」
〈……エルフやーばいっすねぇ。一家に一匹エルフが欲しいって感じっす〉
……眉唾ならまだ良いが、下手すればエルフ狩りとか横行してそうだ。
「つまり例え死体だろうが高値で売れる。もちろん生きているに越したことはねぇがな。そいつもそうだが、雄だろうと雌だろうとエルフってのはほとんどが器量好しだ。観賞用ってな具合でお偉いさんの間じゃ取引されていることもある」
「ドワンドさんは自分のものにしようとは考えないんですか? 売ろうとしてたんですよね?」
「とんでもねえ! エルフなんか俺等程度の規模が囲い込める素材じゃねぇんだ! すでに売却先も決めてあった! 下手したら領軍が出張ってくる可能性すらある。エ、エルフはそれぐらい貴重なんだ」
だったら売るのだってやばくないか? というかその商人からかっぱらったのって相当不味くないか?
なんか今の話を聞いていると思った以上に大事の予感。領軍ってなんだよ領軍って。まさかお貴族さまがいらっしゃる世界なの? 中世ヨーロッパを感じてしまう。
箱の中を見ればいまだにすやすやと寝ている。……やっぱり可愛いな。
でも世界で一番大事なのは自分の命。誰だってそうだろ? 自分が死んだら終わりなんだから。
〈あ、ふと思ったんすけどエルフの体液が甘露なら、おしっことかうんこも美味しいんすかね? 何食ってたらそうなるんすかね?〉
俺はすでに剣帯から解放されていたトシを地面に何度も叩きつけた。
〈あ、あふっ! お、おふぅ! ぅん! あぁんっ!〉
「ど、どうしたんで?」
ドワンドから見れば突然の奇行だったかもしれない。
「自己を整えるための儀式の一環ですよ。とくにこれといって害もないのでお気になさらず」
「お、おう」
やかましいのは我慢してくれ。
〈で、でもミコトさん、飲尿療法とか動物の糞を調味料にする場合も地方ならあるじゃないっすか!〉
……なるほど。そう考えればそれほど変態的なことでもないか。……いや騙されるな。……いやう~む、むしろ俺が過剰に反応しすぎだったのだろうか? ……んがーッ! 冷静になれ俺。
でも誰だって隣にいる隣人がいきなり排泄物は美味しいですよ。なんて言い出したらびびると思う。……びびるよね?
「そういえばお腹すきません? よろしかったら食事にしませんか?」
できることならエルフっ子にも食べさせたいところだけど、いつまでも待つわけにはいかない。俺もしばらくまともに食事してないからな。
「食事にはしたい。だが、……こんなことを頼めた義理じゃねえのはわかってるが、子分の拘束を解いてやっちゃくれねえか? 刃向かうような真似はしねえし、させねえ」
ふむ。せっかく良い機会だし、いろいろ試してみるか。
無言でドワンドの近くまで歩いて行く。
そしてその顔を見上げるようにじっと見つめる。
「な、なんだ」
「鑑定!」
「あ?」
〈鑑定! ……種族フーラー。レベル27。HP280。MP36。存在力493っす!〉
種族フーラー? なんだ。てっきり獣人某かと思ったが、俺と一緒か。……ああいや、俺には鑑定できないからこの身がフーラーとは確定してないのか。
まあ、テキパキ進めて行こう。
「鑑定。……鑑定。……鑑定。……鑑定。……鑑定。……鑑定。……鑑定。……鑑定」
〈鑑定! ……鑑定! ……鑑定! ……鑑定! ……鑑定! ……鑑定! ……鑑定! ……鑑定!〉
ヒャッハー! 鑑定祭りだぜー!
普段はスキル名を俺がしゃべったら使用するように取り決めているから、鑑定する回数だけ言わないといけないのが少しだけ面倒だね。
鑑定結果をトシから伝え聞く。……ふむ、なるほどなるほど。
「……おい、いったい何をしてるんだ?」
……なんか頭おかしくなったんじゃないかっていう目で見られた。
まあいい。これは君たちがどの程度の者かデータを集めているんだよ。
「なんでもありません。さあ食事にするために拘束を解いてあげてください」
「いいのかッ!?」
周りからもほっとしたような空気が流れる。……中には顔つきが険しいのもいるが。
どうぞとジェスチャーすると手近い者から拘束を解いていく。
そして全員の拘束がほどき終わり、ドワンドがこちらに向き直った。
「すまねえな。これでようやく――」
そこまで言い終えたときだった。
拘束から解かれたばかりの一人の男が臆することなく堂々と木箱の方へと歩いて行く。
「お、おい……」
途中にいた男が声をかけるもこれを無視。そして木箱のところまでいくと蓋を開け中の物を取り出した。
「こんなところにまとめておいて、隠したつもりだったのか? 所詮はガキだな」
え、いや、うん、……確かにこの身はガキだな。
男がとりだしたのは拳銃だ。自由になった途端それじゃ、今から抵抗しますっていうのが見え見えじゃないか。即座に制圧されても文句は言えないぞ。
〈べ、別にあんたのために隠しておいたわけじゃないんですからね! ツーン〉
トシが何を言っているのか意味がわからない。
盗賊Bは中から取り出した拳銃の装填具合を確かめるとこちらに銃先を向けてきた。
こいつらを退治してから今まで、一度だって反抗を許可した覚えはないけど、こんな子どもに道具扱いされたらそりゃ我慢できないか。本当はもう二人ぐらい一緒に抵抗するかなって構えてたんだが、意外と素直な連中らしい。
〈……大丈夫なんすよね?〉
自信はある。だけど物事に100%はない。とりあえずタップを1回。
「はっ! 呆気なく形勢逆転じゃねーか。……舐めた真似してくれたじゃねえかよ、ガキィ!」
盗賊Bはお怒りの様子。たしかレベルは22。この中では二番目のステータスだ。連中の中でナンバー2なのかもしれない。
「アルガスやめろ」
だが、それにたいしてドワンドはにらみ付けるように静止した。今の感じだと大人しくしている気がないのはアルガスって呼ばれた奴だけみたいだ。
「お頭、下手になる必要なんてありませんよ。おそらくですが、そいつが持ってる剣が魔道具です。こんなガキが魔術を使えるなんて考えられねえ」
めざといな。まさにその通り。
その言葉を受けてドワンドの首がグリンって効果音が鳴りそうなほどの勢いでこちらを向いた。
「ヴィシェットも、ラルも、アノンも、グワズも、ピケイも死んじまった。残った俺たちが生き残るには、その魔剣が必要だ。……ガキ、見逃してやる。大人しくその剣を置いてさっさと失せろ」
ドワンドもトシが魔道具って聞いてから、こいつに興味津々のようだ。
「さっきは狙いがうまくつけられなかったが、今のてめぇなら一発でことが終わるぜ?」
たしかにその通りかもな。
剣帯自体を体からはずし、地面に置いた。この行動に驚いたのはトシだ。
〈ちょ、ミコトさん! 本気っすか!? 魔力少し回復してますし、一発火魔法……じゃなかった火魔術ぶっぱなしましょーか?〉
足の裏で剣の柄を二回タップ。下手したら全滅しちゃうかもしれないしな。窒息死で。
「……素直じゃねえか。抵抗することも考えてたんだけどよ、魔剣だけが取り柄の、このクソ虫が」
俺はアルガスにゆっくりと背を向けた。――そして、それを待っていたかのように銃声が鳴り響いた。
「――ッ!?」
撃ってくることは何故か確信していた。
驚きは誰のものだったろうか。
精確な位置に向かって放たれた弾丸をサイドステップで避けた。
あの拳銃、トリガーではじく前に小さく音が鳴るからわかりやすい。前世のリボルバーがどういう物だったかなんて目にも耳にもしたことはなかったが、この世界の物はその程度の品なんだろう。
即座に振り向きダッシュ。この距離からアルガスまでにおそらく発砲回数はおおくても四発。慌てれば二発ぐらいか? 再び鳴り響く銃声。地面から土埃が背後で上がる。ただ直線に走るのではなく発砲にあわせて横に避けるだけだ。そして二発目の銃声。
「――んなッ?!」
この体重差じゃ、俺の拳なんて急所にでも決めないとたいしたダメージにはならないだろう。
手で届く距離まで近づこうとすれば相手が選んだのはぶん殴り。右手に持った拳銃を振り回してきた。相手が子どもでもそりゃ悪手じゃないか?
振るわれる右腕を左手でいなすように受け止め、崩れかかった体勢をは肩口あたりを掴んで強引に引き込み、相手の勢いを利用してからの一本背負い!
「――ッ!?」
倒れたところを腹部に向かって体重に勢いを乗せた全力踵スタンプをかます。
男はうめき声を上げて白目を剥いた。自身の体重は30キロぐらいあるだろうか。それが腹部に強く決まれば内蔵も破裂する。
「……魔術がどうとか関係ないんですよ」
「…………」
〈かっけぇぇぇぇぇ!! ミコトさん、超格好いいっす!〉
密かに周囲を窺ってみるも、全員が身を固まらせて静かに見守っていた。
〈もしかして自分の命惜しさに手放されるかと思っちゃいましたけど、うひゃあ! 痺れましたわ! 感動っすわ!〉
格好つけたのは事実である。でもそこまで格好良かっただろうか? モテたことないから判断がつかない。
前世でも格好つけたこと多数。……もちろん決まった事なんてないに決まっている。けどそういうお年頃なんだよ。……男は何歳になってもそういうお年頃なんだよ。
「さあ食事にしましょうか」
とりあえず今は飯だ。
しかし着る物が無かったのは痛いな。いつまで上半身裸でいればいいんだろうか。
臭そうな服なんて着たくないし。