食えや騒げやどんちゃん騒ぎ
百話が近づいてきましたね…
個人ギルドだって!?……いや、ちょっと待ってくれ。その場のノリでそれっぽい反応しちゃったけど、全然分からない。
このゲームでギルドといえば、冒険者ギルド・商売ギルド・職人ギルドがある……ってこれもう何回煎じか分かんないな。
俺は昔から丁寧過ぎる時が有るって偶に言われるんだよな。美点だとも汚点だとも言われる。適正職業は村の入口にいる村人だって言われたこともあったかな?割と自分でもそう思うし俺の事をよく見てるよな。
閑話休題。取り敢えず、個人ギルドについては置いておくとするか。分からないものをどんなに考えたって分からないからな。そういう時は分からないものの存在なんてすっぱり忘れて、別の事を考えるのが一番だと俺は思う。
…そうだな、ルゥにも何が貰えたか聞いてみるか。もしかしたらルゥも俺と同じ物を手に入れているかもしれないしな。
「ルゥは報酬でどんなのを貰った?俺はなんかよく分からない奴だったんだが」
とまぁ、聞いてみたのだが、ルゥが手に入れたのは俺と同じものではなく、割と良い武器だという事だ。個人ギルドの奴は俺だけが貰ったってことか?
しかも、ルゥが貰えた武器は、御丁寧に使ってる武器種に合わせられた薙刀だったそうだ。親切設計だな……だったら俺の貰ったアイテムについても、もう少し説明をしてくれてもいいような気がするんだがな……まぁ、仕方ないか。
「なら冒険者ギルドの方で聞いてみてはどうですか?いくら個人と名がついて居ても結局は同じギルドなんですから、何かしらの情報が手に入るかもしれませんよ?」
なるほど。言われてみればその通りだな。全くもって盲点だった。やっぱり他人に意見を聞くのって大事だな。一人だと視野が狭くなってしまう。
よし、じゃあ早速冒険者ギルドに行ってみよう。思い立ったが吉日、善は急げだ。ちなみにルゥはもう少しこのお祭り騒ぎを楽しむつもりらしい。ってことで別行動だな。
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「いやっほーい!!もっと飯をくれ!!」
「うめー!!うめー!!俺の方にも頼む!!俺はまだまだ食うぞ!」
「今日は無礼講。みんなで楽しもうぜー!!」
俺が冒険者ギルドに入ると、そこもお祭り騒ぎ……いや、もはや騒音とも言えるほどの活気が広がっていた。
どうやらみんなで打ち上げをして居るらしい。そりゃあ大事な街を、伝説級のモンスターたちから大した被害も無しに守り切ったんだからな。こうなってしまっても仕方ないか。
…って、ギルドの職員さんも一緒に飲み食いしてる!?最後に『無礼講』って言って叫んでた人、声が高いなと思っていたが、よく見たらまさかの受付嬢さんじゃないか。
これでは、受付嬢さんに話を聞くことが出来ないな……あ、別に、今宴会をしてる受付嬢さんに聞きに行っても良いんだが、そんな事で楽しそうにしてる人たちに水を指す訳にもいかないからな。どうしようか。
…仕方ない。ちょっと距離もあるし、此処からも離れないといけなくなってしまうが、始まりの街の方に向かうか。クラーケンとか全く関係のない始まりの街でなら、しっかりと俺の目的を達成出来る……筈だ。
人生そう上手くは行かないからな。少々の面倒臭さなんて、楽しさに変えてしまおう。そうだな、モンスターでも倒しながら進んで、経験値稼ぎもついでにしておくとするか。
ちなみに俺の持論だが、目標は小刻みに、目的は楽しさ片手に突き進むというのが楽しく生きるコツだ。あと少しでクリア出来そうなものなら頑張りやすいだろうし、楽しいものなら人間は自然と頑張れるものだからな。心の片隅にでも置いておくと良いぞ。
などと考えながら街を出てすこし経つと、早速モンスターたちが襲いかかって来た。モンスターたちは実力の差も良く分かって居ないみたいだ。……おっと、俺だって流石にここぐらいは余裕で戦える程には成長してるからな。決して俺がボコボコにされる側ではない。
…コイツらの見る目が無いだけであって、俺が弱そうな見た目とかオーラを出している訳じゃないよな?な?……世の中には理解しない方が良い事だってある。たぶん今だ。
そんなこんなで、俺は少し凹みながらも始まりの街へ戻っていくのだった…
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