厨二病って冷静に考えると滅茶苦茶恥ずかしいよね
どうも、珍しく更新が早い公爵蜘蛛です。
人は何かに熱中している時、周りが見えなくなってしまうことがある。熱中すること自体は悪いことではないのだが、周りが見えなくなってしまうことで起こりうる不具合というものは、必ず存在するのだ。
例えば……新技を使ってモンスターを大量に倒す際にちょっと調子に乗っちゃって厨二病臭くなっちゃった所を人に見られるとかなぁ!!
…どうしてあなたがここに居るんですかね、ティアさん。
「えーとですね……少し心配になっちゃいまして。作った私が言うのも変なのですが、こんな危険なアイテムを手に入れたシルバーさんに何か起こったら大変ですからね。幾らシルバーさんが次元人で多少の事ならどうとでもなるとはいえ!」
くぅ〜!! 心配してくれていたのか、ティアさん。これには感謝を述べなきゃ俺の気が収まらない……のだが、ちょっと待て、何処までティアさんは見てしまったんだ?
あの時の調子に乗っていた俺は結構なことを言っていた様な気がする。それを見られていたとなると、ちょっと顔をまともに合わせられるような気がしないぞ。
幸いにも、今見た感じのティアさんは特に変なリアクションは取っていないし、何かを気にしている様子もない。これは、実は大丈夫だったのでは?
「えーと、何か俺、変な事口走ってませんでしたかね?」
どうだ!! 『そんな事は有りませんでしたよ』と言え!! 言ってくれ!! お願いします!!
「あ……か、カッコよかったと思いますよ、シ、シルバーさん! 『貴様等など我が前では塵と同じ』とかいつもと違ってオラオラ! って感じで!!」
あ゛あ゛あ゛あ゛!!ダメ!聞かれてたぁ……終わった。しかも再現を見せられた挙句カッコイイなんて言わせて気を使わせてしまうなんて…
こんなの、厨二病真っ盛りの中学生でも裸足で逃げ出すレベルだよ。正に生き地獄。救いは何処にある? 誰か助けくれぇぇぇ!!
!? これは、危険察知?
「危ない!!ティアさん!!」
初めてだった。俺以外の対象に危険察知が働いたのは。確かに説明は受けていたが、こんな感じなんだな。
ティアさんは俺に気を取られていたせいか、モンスターが接近していた事に気づけていなかった。きっとモンスターは確実に仕留めたと思った事だろう。
だが、そんな事は俺がさせない! ティアさんは俺と違って死んでしまっても復活出来ない。しかも、俺のことを心配して見に来てくれる程の優しい人だ。そんな人を、俺のせいなんかで殺らせない!!
うおおおおぉぉぉ!!俺は今日一番の力を込めて、モンスターに向かって強引に剣を振り下ろした。
一刀両断!!
・
・
・
モンスターの魔の手は、ティアさんの僅か数センチで止まることとなった。ふぅ、危なかった〜。危うく、悔やんでも悔やみきれなくなってしまう所だった。
「へ!?あ、ありがとうございます!!シルバーさん!!おかげで助かりました」
ティアさんは俺に感謝してくれているが、本当なら感謝を述べるべきは俺の方なんだよな。問題がなかったとはいえ、心配してくれていたのは正直嬉しかった。
こんな風に心配してくれるのは、大人になった今では両親ぐらいしか居ないからな……本当にありがたいし嬉しい。
「いえいえ、こっちも心配して見に来てくれたのは嬉しかったですし、ありがたかったです。こちらこそありがとうございました」
……?そう言えばだけど、もし俺が本当にピンチだった場合はどうしてたんだろうか。特に何の準備なかったなら、二人ともやられて終わってしまう気がするんだが。
「あ、それに関しては大丈夫ですよ。私が昔作った一番威力の高い爆弾を持ってきましたし、そもそも昔は自分で素材を取ってたりしてたので、戦闘はある程度慣れてますし」
昔?……まぁ、いいや。ティアさんも結構武闘派だったんだな。知らなかった。それだったら、まだ納得か。
「それじゃあここでのレベル上げも終わったので、ティアさんも一緒に戻りましょう!店まで送りますよ。あ、遠慮はしなくていいですよ。こんなので返せるとは思ってないですが、日頃助けてもらってる感謝の気持ちですから」
「そうですか。それでは、送ってもらってもよろしいですか?シルバーさん」
「はい、喜んで」
そうして、俺たち二人は街へ引き返していくのだった…
よっしゃあ!!厨二病の話がどこかに行った!!これでティアさんに変な目で見られなくて済むぞ!そこだけはあのモンスターに感謝しないとな。
厨二っぽい発言は、言ってるときはどうってことないんですが、後から掘り返されると滅茶苦茶恥ずかしいんですよ。分かりますかね?まぁ、小説を書いていること自体がそれに近い行為なんですけどね。
あ、面白いとか、頑張ってほしいと思った人は、ブクマとか評価していって下さるとうれしいです。
私のモチベーションにそのまま直結しますので




