マリンシティの冒険者ギルド!
どうも。
さて、マリンシティの中に入った俺たちだが、どうやらラインハルトはここで別れるらしい。
「デュフフ!! 某はこの街でも天使を探させて貰うと致しましょう!! それでは……サラダバー!! デュフフフフ!!」
ブレないな……ルゥの事を天使だと言っていたラインハルトだが、まだ他にも天使がいる可能性を諦めていないらしい……流石にもう乱闘騒ぎを起こすことはないと信じてはいるが。
それでは、ルゥと共に冒険者ギルドのマスターに手紙を届けに行くとしよう。用事は早めに済ましておかないと、楽しめるものも楽しみづらくなっちまうからな。
ちなみにだが、俺は好きなものは後に食べて、嫌いなものは初めに食べる派だ。ここシルバー検定に出てくるから、覚えておくように。
☆☆☆☆☆
っと、着いた。ここがマリンシティの冒険者ギルドか……うん、前とあんまり変わんないな。まぁデザインとかを変えて、冒険者ギルドという事に気づかれなかったらそれはそれで問題だから、仕方ないと言えば仕方ないんだけど。
閑話休題。俺たちは扉を開け、冒険者ギルドの中に入った。構造も全く同じみたいだな…
なので、いつもと同じように受付嬢待ちの列に並ぶ事にした。幾らマスターに用事があるとは言え、そこは変わらず並ばないと平等じゃないからな、当然だ。
あとはそうだな……前までいた町よりも、魔法使いとか、槍などの中距離武器使いが多い気がする。本当に体感ぐらいのものだけど。
やっぱり海から出てくる魔物を倒すにはそういう武器とか魔法が欲しくなるって事なのかな。詳しくは分からないけれど。
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「冒険者ギルドマリンシティ支部へようこそ!本日はどのようなご用件でしょうか?」
おお!?挨拶は万国(ここは街なんだけど)共通って事か!どこの支部とかも説明されてるとか丁寧だし、こういう所が統一されてるとテンション上がるな〜
とまぁそれはさておき、俺はギルドマスターに渡すものがある事を告げる。何の仲間かまでは知らないが、わざわざ渡せと言う辺り、大事な物なのではないだろうか。
いや、逆に俺たち渡してしまう程度の物でもあると言えるかもしれないが。
「なるほど……それでは、少々お待ちください。ギルドマスターに確認致しますので。あ、お手紙を拝借させて頂きます」
確かに、俺たちがただ単にギルドマスターに会いたくて嘘をついている可能性もあるからな。確かめるのは当然のことだ。勿論俺たちは本当のことなんだけどな。
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「お待たせしました! 確認が取れましたので、こちらへどうぞ!」
受付嬢さんのその言葉と共に、俺たちはギルドマスターが居る部屋に移動する事となった。……ってアレ?俺たちって手紙を渡せば良いんだよな。別にギルドマスターに会う必要はないような気が……まぁ、いいか。損はしないだろうし。
コンコン
受付嬢がギルドマスターのお部屋と書かれたプレートにノックした。そして
「失礼します! お客様をお連れ致しました」
と言った。すると中に居るギルドマスターであるだろう人の許可が出たので、俺たちは中に入ることにした。
中に入ると、そこは思っていたよりは小さくこじんまりとしていた。しかし、だからと言って綺麗に整頓されている訳ではなく、机の上には大量の資料が散乱していた。ギルドマスターのお部屋は、所謂汚部屋だったのだ。
さてさて、そんなお部屋の持ち主であるギルドマスターの様子はというと……カッコいい。青髪の渋いおじさまだった。
こりゃあ、凄い。この世界のおじ様にはイケメンしか居ないのかと思ってしまう。師匠だってそうだしな。俺もそんな歳の取り方がしたいといつも思う。
「やぁ、シルバー君とルゥさんだね。冒険者ギルドマリンシティ支部へようこそ。そして、シルビアからの手紙を届けてくれてありがとう。お陰でこちらも助かったよ」
感謝されたのは嬉しいが、この用事が無かったとしてもおそらく俺は近いうちにこの街まで来ていたはずだ。そう考えると、この件は俺にとってついでだったってことだ。そこまで言ってもらう必要はない。
「いえいえ、別に大丈夫でしたよ。自分達もマリンシティに訪れる良いキッカケになりましたし。な、ルゥ?」
俺のその言葉に、ルゥは我が意を得たりと言わんばかりに頷いた。やっぱりそうだよな。
「なんて謙虚なんだ! 次元人の宝だよ、君たちは。勿論、冒険者ギルドにとっても。だけど…」
だけど?
「報酬は渡しておかないとね。おっと、断られたって渡してあげるさ。君たちは気付いていなかったかもしれないが、今回の件はシルビアの手によって既に正式な依頼になっているのさ。分かるだろう?冒険者ギルドのトップとも言えるギルドマスターが、冒険者にタダ働きさせたなんて知られたら…」
信用を失うって訳か。なら仕方ないか。別に報酬を貰えるのならそれはそれで万々歳だからな。
「なるほど、分かりました。そういうことでしたら、有り難く受け取らせて頂きます。」
「聞き分けが良くて助かったよ。それじゃあ、コレが報酬ね」
そう言って軽く手渡された物は、俺たちからしたらとんでもない物だった…
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