取り敢えずボコります
どうも、新年二回目の投稿ですね。
くそ、本当に強い。見た目と動きの差が凄い。ギャップ萌えとかまったくないけど、兎に角強い。
でも最初の時以外、俺しか狙ってないし、そこまでド派手な技もなさそうだから、俺以外の奴は安全そうだ。
後はなんとかコイツをぶっ倒すしかないな。本当に、一体どこに隠れてたんだろうな。この実力、多分前の闘技大会でも決勝には出られるぐらいはあるぞ。
まぁ、割と恨みを買いそうな性格だし、バトルロワイヤルでボコボコにされた可能性はあるな。数は力だ。数の暴力でやられたら誰だって抗えない。
特に俺なんてそうだよな。でっかい盾を持ってるわけでもないからたくさんの攻撃を受け止める(俺の場合は受け流すだが)事も出来ないし、躱すなんて論外だ。
つくづくタイマン向けの性能だと思うよ。最初のダンジョンの時のゴブリン軍団みたいに、結構実力差が開いているのなら話は別だけどな。
スピードを上げてるから、遅い敵ならそもそも俺の動きが捉えられないし。それにそう考えると、素早さって重要だよな。ポ◯モンと一緒だ。
でもこの相手にはその優位性が足りない。おそらく俺の方が早いんだろうけど、確実なアドバンテージを得るには少し足りない。
力の差は分からない。なんてったって攻撃を食らってないからな。
でもあの拳が光っているあのスキル。オンリーワンのやつなのかなんらかのスキルの応用なのかまでは分からないが、アレを喰らったらとんでもないことになりそうだ。
……元々俺の防御力は紙レベルだからな。幾らレベルが上がって体力が増えたっていっても耐えられるようなものじゃない。
「デュフフ!!中々逃げるのが上手いみたいですけど某の拳を避けるのが精一杯みたいですしそろそろ諦めて某の拳をその顔一杯で受け止めて天使の事は任せてみてはどうですかねデュフフフフフ!!!」
キモい。本当にその一言で全部表現できそうな奴だな。絶対にこんな奴にルゥを渡すわけに行かない。
「いやいや、そんなに自分本位の奴にルゥを渡すわけにはいかない。それにルゥはモノじゃない、一人格を持った人だぞ!そんな風に言うんじゃねぇ!!」
おっと、ついカッとなってしまった。でも本当に俺はそう思う。。本人はそんな風に捉えて言ってないのだろうが、相手が嫌がっていればそれは立派に犯罪……いや、ここでも適応されるのかまでは分からないが、それに近しい事にはなるだろう。
イジメと同じだよな。やっている本人がそう思ってないだけでやられている当人は思い詰めてしまい、そして取り返しがつかなくなってしまう。
だから取り敢えずボコるとしますか。ここまできたらボコボコにして諦めさせるしかない。ヤクザかよ、って思うかもしれないけど、今までと一緒で、PKするだけだ。
PKするに当たってだが……コイツは意外と戦い方に隙がない。まぁ、当然と言えば当然ではある。剣を振り回したり、その他の武器を使用する際に必ず発生する振りかぶってから元の体勢に戻すという行為が、拳の場合かなり行いやすいからだ。
だから相手の隙を見つけて攻撃するというよりは……俺自らが動いて隙を作るしかない。
しかも幸いなことに俺は先程から回避を中心に行い、相手の猛攻を凌いでいた。なので盾がある事を奴は忘れている、もしくはハリボテであると考えている可能性が高い。
……ひょっとしたら頭に血が昇ってて俺の盾なんてそもそも眼中にすらないかもしれないけどな。それならそれでオーケーだ。よし、行くぞ!
先ず俺はもはやルーティンの様に、集中力を高めていく……世界はゆっくりと流れる様になり、それは目の前のアイツも変わらない。
それと同時に俺は盾を取り出し装備する。奴は少し怪訝に思った様だが、それでも何も気にせず突っ込んでくる。どうやら俺の盾ごとぶち抜いて来るつもりらしい。
コイツを知らなかった俺が言うのもなんだが、本当に俺の事を知らないらしい……なんか驕り高ぶった芸能人みたいな事を言ってるが、闘技大会は相当注目度の高かったイベントだ。優勝した俺の事を何も知らないなんて珍しい事だ。
そうでなくても、闘技大会のトーナメントに出た選手は軒並み研究されていたり、対策が立てられたりしているものらしい。俺も対策の対策を取らないといけないなと思う。
強い奴は事前情報からメタるのが基本だからな。この辺は何事も同じだ。
つまり……今の今まで回避に徹して情報を集め続けていた俺と、何をされるのか理解出来ていない奴とでは、俺の方が圧倒的に有利だということだ。それを見せてやる。
拳は相変わらず眩い輝きを放ちながら、俺に向かって迫って来る。魔法が含まれている様な威力が出ているので、ただ単に受け流そうとするだけでは攻撃を喰らってしまう可能性が高い。
なのでここは安全を取って反射する一撃を併用しながら、盾をアタックモードに切り替えぶん殴る!!
ちなみにこのスキルは闘技大会でも使用したのだが、魔法を反射するだけで本来物理に対しては何の意味もない。
しかしどうだ、先ほども言った通りあの七色が魔法の要素を持っていることは否定出来ない。それどころか高いだろう。つまりどうなるか…
バキンッッッッ!!!!
拳がぶつかったとは思えない様な音を立てて……
奴は、ラインハルトはぶっ飛んだ。俺の攻撃だけでなく、自分の拳の威力まで跳ね返されたのだ。当然の事である。
更に人は突然の事態に弱いものでもある。俺だってそこは変わらないだろう。況してや空中にいるのなら尚更のことだ。だから俺はその驚き、困惑して隙だらけの顔面に……
躊躇する事なくトゲだらけの盾を振り下ろした!!
クリティカルヒット!!
システムの力を借り、敵の急所を貫いた一撃は威力を更に増すこととなり、体力を一撃で全損させる事に成功した。
消えていく……キモオタ名前負け野郎が。そう、俺の勝ちだ!!!
読んでくださりありがとうございました。
取り敢えずの目標は三千ブクマを目指して頑張る事です!!
面白かった、頑張って欲しい、書いてるお前もキモオタやろ!!と思った人は、ブクマ・評価して下さると嬉しいです。
……ないとは思いますが、そもそも作者はオタクであり、オタク自体を批判したいわけではありません(保身に走る)
今後とも、よろしくお願いします。