ギルドに戻りましょう
金土日と三日間連続投稿します!(三話目かけてない)
これが一話目です。
アレからわたしはお師匠様の教えの下、魔物相手に薙刀の使い方を学んでいきました。と言っても特別に変な事をしたわけじゃないです。お師匠様が言うには、
「薙刀を使う際に一番大事なのは払うことだ。槍と同じように突く事もあるが、それでも基本は薙ぐ事に重きをおくべきさね」
との事でした。なので必然的にお師匠様が教えてくれる技は薙ぐ事が中心になっていました。薙ぎ払うと、大体の敵には当たるので、戦うならこれが一番だと。
更には距離を取ることも大事だ。距離を取って攻撃を当てる。分かりやすい勝ち方だろ?とお師匠様は言っていたけれど、本当にその通りだと思います。
でも問題はあった薙ぎ払って敵に当たると、どうしても勢いが止まってしまう事ですかね。物に当たれば勢いが止まる。そんな単純な事にどうしても邪魔をされてしまうのです。
分かりやすく言うと、無双できません。一回の攻撃であっちの敵にもこっちの敵にもダメージを与えるなんて無理なのです。
それについてお師匠様について尋ねてみると、お師匠様はニヤリと笑いました。……アレは自慢したい人の笑い方でしたね。間違いないです。
ここで待ってな、とお師匠様は言い残しダンジョンの何処かへと消えて行きました。……イタズラをしようとした人の笑みじゃないことを祈るしかないです。
幸いにもお師匠様は直ぐに帰ってきました。沢山のゴブリンを引き連れて。そしてわたしがそれを見た事を確認した次の瞬間、ゴブリン達の方に向き直り薙刀を持ちました。
おお!お師匠様の薙刀使いが見れるんですね!とわたしが少し興奮していると、お師匠様は軽く薙刀を横に薙ぎ払いました。
軽く、ええ、本当に軽くです。なのにゴブリン達はまるでバターの様に軽く切られて行きます。一度に大量に斬り伏せているため、凄い勢いでゴブリン達の数が減っていきます。まるでなろう系の主人公みたいですね!
そしてその勢いのままあっと言う間にゴブリン達は駆逐されました。しかし一体どういう仕掛けなんですかね?わたしが純粋にステータスのパワーを上げたところで同じ事が出来る気がしないですよ。
「これが薙刀のスキルさね。その名も止まらぬ薙ぎ払い」
…………だ、ダサい!絶望的にダサいです!なんですか止まらぬ薙ぎ払いって!え?え?もしかしてこのゲームのスキルって全部こんな感じのネーミングセンスだったりするんですか!?もっとかっこいい名前付けれたでしょ!リミットブレイクとか敵うものなしとか!もっと厨二心を爆発させる様な心痺れる名前をわたしにくださいぃぃぃ!!!!
………はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…
…ハッ!?べ、別に厨二病って訳じゃないんデスワヨ。わたくしはカッコいいものが好きなだけなのデスワ!
…ふぇぇ?口調が崩れてる?動揺してるんじゃないかって?そ、そんな訳ないですよ!まったくもう…
「このスキルによって薙刀を思い切り振る事が出来るのさ。だってそうだろう?人同士の試合じゃないんだから、体に当てて勝ち!なんて都合よく行くわけがないからね。自由に振り回せる方が何百倍も良いに決まってるさね」
お師匠様はわたしが性能に不満を持っている様に見えたのか、このスキルの良いところについて語って来ました。
た、確かに不満は持ってますが、それは性能についてじゃないんですよ。…恥ずかしいからお師匠様には言わないですけどね。
「…今日の所はこのくらいにして一旦ギルドに戻るとするさね」
そのお師匠様の言葉に従い、わたしはギルドに引き返して行くのだった…
☆☆☆☆☆
「あークソ!負けた!!」
俺は師匠に負けてしまった。細かいところは省くが、土台の差だな、これは。あの後師匠の嫌がりそうな所とかを突きながら、極限状態まで発動して頑張ってたのに、惨敗した。
だって信じられるかよ?極限状態発動して、危険察知で大体何処が危ないのか分かってるのに当てられるんだぜ?師匠が手加減してたから俺のHPは減らなかったけど、もし実践だったらもう何回も死んでることになる。
悔しい。大変悔しい。けどちょっと思った事がある。確信はないけどちょっと聞いてみたい。
「師匠、前より強くなってませんか?」
前戦わせてもらった時はまだ俺も弱かったし、師匠も全力を出してなかったと思う。でも前よりもキレが良くなっている気がするんだよ。前までの師匠なら今の俺でそこそこ良い勝負が出来てたと思うんだよな。
「ふふふ、分かるか?その通りじゃの。儂も最近余りやっておらんかった修行を再開したからな。歳のせいにばかりしてはいけんということに気づいたのじゃよ」
師匠が何やらかっこいい事を言っていたその時、突然背後から声が聞こえてきた。
「へっ、何カッコつけたことを言ってるんだい!どうせそこの銀髪の男に感化でもされたに決まってるさね」
「む!この声は!」
そこに居たのは特訓から帰ってきたらしいルゥと、その師匠のシルビアさんだ。一瞬師匠の反応的に、電気なネズミを狙っていて、喋る猫さんのいるRな人達を連想したのは秘密だな。
「こっちの方は一段落ついたさね。そっちも……一段落ついてるみたいだね」
シルビアさんは地べたに座っている俺と、俺を見下ろしている師匠の構図を見て、そう判断した様だ。正しい。正しいけどさぁ…でも悔しい。悔しいよな。
「ふむ、シルバーよ。儂は此奴と話がある。近くの店で嬢ちゃんと一緒に飯でも食ってくるといい」
おお、そう言えばあんまり街でのんびりと飯食った事なかった様な気がするな。
「ご飯食べたいです!行きましょう、シルバーさん!」
ルゥも食べたいらしいし、それじゃあ行くか!
ブクマ三千!総合評価七千までもう少しなので、ブクマ・評価よろしくお願いします!!
してくれたら…嬉しいニャン(絶望の夜明け)(オフ会ゼロ人)(剥がれるブクマ達)
あ、ホントに外すのは辞めて下さい。お願いします!!!