これってもしかして…
こんな時間に更新ですか!?
シルバーさん達と別れ、冒険者ギルドを出発し、お師匠様と歩き続けて辿り着いたのは、大きな洞窟でした。
…あの、これってもしかして…
「ん?ああ、ルゥは見たことがなかったかい。これがかの有名なダンジョンさね。魔物は出るが、中にある宝箱やダンジョンを攻略することで得られる名声を手に入れる為に挑む人が絶えない…ね」
選ばれたのはダンジョンでした…ってそうじゃなくて!ダンジョンですか!?最初の街の周辺でウロウロしているようなモンスターにすらやられるわたしが!?
た、確かにわたしはプレイヤーですし何回やられても大丈夫ですけど、だからっていきなりダンジョンというのは…
「何不安そうな顔をしてるんだい。アンタひとりじゃない、私がいるさね」
そ、そうですね!確かにお師匠様がモンスターをボコボコにして弱らせてくれればわたしでも倒せるかもしれない。なるほど、流石お師匠様!頼りになります。
「アンタが戦ってる時に敵の特徴とかアドバイスをしてあげるから安心するさね。況してやここは戦闘初心者用のダンジョン。負けるはずがないさね」
違いましたー!?え?え?お師匠様戦ってくれないんですか?異議ありです!異議あり!わたし、薙刀をまだ装備すらできてないのに!?素手ですか?わたしガンガン殴れる暴力系女子に転身ですか!?そんなのイヤです!
「あ…そうだったね。アンタ、まだ薙刀を装備できなかったんだった…」
え?忘れてたんですか?お師匠様?もしかして、これ言わなかったら本当にわたし素手で戦う羽目になってたんですか!?嘘だと言ってください!お師匠様!
「し、仕方ないさね。わたしだって人間さ。忘れる事だってあるさね」
や、やっぱり忘れてたんですか…そ、それならせめて、わたしが薙刀を装備できるようになるレベルまではレベル上げるの手伝ってくださいよ!アドバイスとかじゃなくて、一緒に戦ってもらう方向で!
わたしがそう畳み掛けると、お師匠様は両手を挙げました。殴り掛かろうとしているわけではなく、よく刑事ドラマで警察官に撃たれそうになっている犯人がやる様なポーズです。
「…はぁ、降参さね。でもわたしが戦うのは薙刀が装備できるようになるまでと、アンタがモンスターにやられそうになっている時だけだよ。分かったかい?」
やりました。勝訴しましたよ!正義は必ず勝つのです!
それにちゃんとやられそうになったら助けてくれるなんて優しいですね、お師匠様!
「幾ら次元人が私達と違って復活するとはいえ、流石に目の前で死んでしまうのはわたしの信条的に許せないだけさね。決して勘違いするんじゃないさね」
分かってますよ、お師匠様。それじゃあ行きましょう。
そんなわたしの言葉を聞き、やれやれ、と少し呆れているような格好をしているお師匠様を連れ、わたしはダンジョンに入って行きました。
☆☆☆☆☆
ダンジョンに入るとそこは先程までの明るい雰囲気から一変、どこか恐ろしげな雰囲気が漂ってきます。
それにもっと暗いのかと思っていましたが、意外にもダンジョンの中は明るく、遠くが見えないということはありません。
こちらの物件の光の通りはなかなか良さそうですね。ふむふむ…イテッ!?
少し巫山戯ていると、突然後頭部に軽い衝撃が走りました。後ろを振り返ると、そこには隠す事なくわたしに拳を見せつけているお師匠様がいらっしゃいました。
まさか、こんな所に伏兵がいたなんて…真の敵は本能寺ではなく後ろに居たみたいですね。
「私がいるからいいが、普通ならダンジョンで集中力を枯らす事は死に直結するさね。次からは気を付けるさね。」
はい、ごめんなさい。なんだかんだ言ってちょっと初めてのダンジョンという事で興奮してました。気を付けます。
少し自省していると、突然師匠がある方向を指差しました。指差している方向を良く見てみると、そこには角の生えたウサギが立って居ました。可愛い!
「アレはホーンラビットさね。素早い動きが特徴で、名前の通り角を使って攻撃してくる。今回は私が動かなくなるぐらいまで痛め付けるからトドメは宜しく頼むさね」
そう言うなり、お師匠様は凄い勢いでホーンラビットに接近し、小さなナイフで撫でるようにホーンラビットを攻撃しました。
因みに薙刀を使わない理由を聞いてみましたが、わざわざ格下の敵を倒すのに薙刀は必要ないとの事です。それでも万が一の為に背中に薙刀を背負っているその姿はまさに壮観。カッコいいです。
そして本命の武器ではないナイフですが、初心者用のダンジョンに出てくる程度のモンスターでは楽勝のようで、最早ホーンラビットは瀕死です。ポ○モンなら死んでますね。
更にお師匠様はわたしにアイコンタクトを送って来ます。トドメをさせと言う事なんでしょう。でもこんなに可愛いホーンラビットにトドメを刺すなんて…
アレ?よく見たら目が滅茶苦茶怖いですね。明らかに、俺は肉を食って生きてるぜベイベ!って目をしてます。…あんまり可愛くないです。
わたしは初期装備の剣をホーンラビットに向かって思い切り振り下ろしました。くらえ!!
ホーンラビットはなんで倒すねん…と言いたそうな目をして消えていきました。…よし、私の力で初戦勝利です!
「私が弱らせたさね」
すいません、お師匠様。そうでしたね…
読んでくださりありがとうございました!
ちょっと深夜テンションで書きましたので、巫山戯過ぎた気はします。…まぁ、いいか。
ブクマ、評価お待ちしてます。ブクマはいつ投稿されたか分かるようになりますし、評価は私の心にダイレクトショットです。
これからも宜しくお願いします!