女性に年齢は禁物
どうも。こんにちは。
「まったく、アンタみたいなジジイが私みたいな淑女を呼び出すなんて、高く付くよ」
「ふむ、一体何を言っておるのか?淑女ではなく熟女の間違いではないのグワッ!?」
師匠が地に伏した。スゲェ!あの女性が師匠を叩く時の手が速すぎて見えなかった。集中してなかったとはいえ、恐ろしい速度だ!
…ん?どういう事だ?ちょっと落ち着いて今の発言を考えてみたら、どう見ても、どう考えてもおかしいことが一つある。それは、師匠が言うように熟女には見えない事だ。
俺の見立てでは三十くらいかな?っと、女性の年齢を推測する事は失礼な事だ。辞めておこう。こういう事するとモテなくなるらしいからな…え?今もモテてないって?……………………フフフフフフフフ
「フッ、悪は去ったね」
女性は腰に手を当て、肩にかかる様な髪を豪快にかき上げた。スゲェ、カッケェ(突然の語彙力の低下)
「いたた、乱暴が過ぎるぞ、シルビアよ。儂でなければどうなっていた事か…」
頭を抑えながら、師匠は立ち上がった。…ヒエッ!師匠が倒れていたところに、小さなクレーターが出来てる!今の俺なら小さなクレーターぐらい作れるだろうけど、人を叩いてその衝撃でクレーターが出来るなんて…!?
それはそうと、それをやられて痛いで済ませてる師匠もヤバ過ぎるだろ。スピード型なのかと思ってたけど、耐久面もヤベェな。
「それで、ここに連れてきたという事はここの誰かを鍛えて欲しいという事なのかい?…そこにいる銀髪の男…というわけではなさそうだね。もう十分に剣と盾を操ってそうだ。という事はそっちの可愛らしいお嬢ちゃんかい?」
まぁ、今この訓練場には俺たち二人しか居ないからな。俺は盾と剣を持ってるし、予想はつくだろう。
尋ねられたルゥは、少し怖がった様子で頷いた。確かにちょっと怖かったよな。人のイメージは第一印象でほとんど決まるって言うし、今の所ルゥからの心象は恐ろしいもんだよな。
え?俺?俺はまぁ、戯れてるんだろうと分かったしな。師匠、叩かれながらもなんか楽しそうだったし…
ハッ!?まさか…師匠ってドえ(ギロリ)ヒィッ!?い、今とんでもなく恐ろしい顔してこっちを睨んできた!?この世界、心を読む人多過ぎだろ!
「ああ、その嬢ちゃんは薙刀を使いたいらしいが、生憎儂は薙刀は人並みにしか教えられん。それだったら…という訳だ」
「なるほどね、それなら分かるってもんだよ」
やっぱりこの女性…シルビアさんだったか、薙刀が相当上手いんだろうなぁ。って、師匠も人並みには教えられるのか…え?万能過ぎない?主人公さんですか?
「そうさね、取り敢えずお嬢ちゃんの名前はなんていうんだい?因みにもう分かってるだろうけど、私の名前はシルビアさね」
「ルゥと申します。よろしくお願いします」
「ああ、よろしく。それじゃあ私らは向こうの方で特訓を始めるさね。そっちはそっちで男同士適当な事でもしておきな」
そう言って二人は奥の方へ進んでいった。適当な事と言われても…と言いたくなるな。何かする事でもあるだろうか?
「ふむ、それではこちらも始めるとするか、シルバーよ」
え?え?どゆこと?今シルビアさんが熟女って言われてた時ぐらい混乱してますけど…
「ふむ、こちらも特訓をするのではないのか?それがしたくてここに来たのもあるだろう?あとシルビアはああ見えて儂と同い年だ。まったく、若作りが上手いバ…アベシッ!?」
そう師匠が言おうとした時、天罰が師匠に降りかかった。丁寧に薙刀の持ち手の部分が、師匠を撃ち抜いたのだ!?
恐ろしい正確性とタイミングである。それを行なったのは勿論…
「まったく、昔からデリカシーと学習性のないジジイさね。痛い目を見ても学ばないなんてねぇ。銀髪のアンタはそうならないように気をつけるんだよ」
「は、はい」
俺は土下座をしてしまうような勢いで返事をした。へっ、長い物には巻かれろって俺のおじいちゃんも言ってたからな。
け、決してさっきまでシルビアさんの年齢のことを考えてたから誤魔化そうとしてるんじゃないからな。か、勘違いするんじゃねぇぞ!
…このネタ、あんまり知り合いにはウケが良くないんだよなぁ。美少女か!やっぱり美少女が全てなのか!!おじさんじゃ勝てないのかよぉ!!
「ぐぬぬ、本当の事を言っただけではないか…昔から厳しい奴よ」
しかし、何処と無く二人のやりとりは温かみという物を感じる。なんとなく想像はつくが、聞いてみよう。
「お二人はどういう関係なんですか?」
「ぬ?ああ、昔の冒険者仲間よ。あの頃は楽しかったのう…っとそんな事はどうでも良いではないか!始めるぞ、シルバー!」
なるほど。冒険者仲間だったのか。互いに助け合った仲間なのなら仲がいいのもよく分かるし、シルビアさんが強い理由も分かる。
師匠は元だがAランク冒険者と言っていた。(今はBランク程の実力らしいが)その仲間なのだから強いのも頷ける話だ。
「おおっと!?」
危ねぇ。師匠ってば照れ隠し的な感じで斬り掛かってきた。照れ隠しが物騒すぎるよ!…まぁ、いいや。今の俺がどれだけ通用するか試させてもらうとしよう。
「うおおおおおおお!!!」
読んで下さりありがとうございました。
申し訳ありませんが忙しく、次の投稿は早く出来そうにないです。(いつものことだなんて言わないで!?)
みんな、忙しいオラに元気を分けてくれ!…具体的にはブクマと評価!下さると大変嬉しいでごわす!(目に見える結果が欲しい…)
これからもよろしくお願いします!!