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ルゥは鍛えて貰いたい

連続投稿!?

「それで…ええと、なんだっけ?そうだ、行商人に成りたいっていうのは聞いたけど、具体的に何を手伝って欲しいのか聞いてないな。何を手伝って欲しいんだ?素材を売って欲しい訳ではない様だし」


 実際の所、よく分からない。今の所俺なんかよりも、薬師さんや商売人に手伝って貰った方が良いと思うんだけどな?


「それはね…ルゥの事を鍛えて欲しいの!」


 えぇ!?なんで?商売するのに別に鍛える必要なんて…ってああ、なるほど。どうしてそんな事を言うのか分かったぞ。


 確かに普通の商売をやっていくんなら、別に戦いたいとかの理由が無い限り鍛える必要は無い。でも、彼女が志しているのは行商人だ。


 日本なら取り敢えず人通りが少ない所を通ったり、夜中に出歩いたりしない限り、危険はないだろう。


 でも、ここは違う。街と街の間を歩くにしても、それを妨げる存在がいる。もう分かるだろう?そう、モンスターだ。


 そして彼女は街を出てすぐにいる様な、とんでもなく弱い魔物にすらボコボコにされていた。そう、このままでは繁盛するしないの話し以前に、街と街の間を渡り歩く事が出来ないのだ。


 それはもう、困ったものだろう。この世界では護衛を雇うことも出来るが、一々出歩く際に護衛を雇っていれば、利益が出せるかどうか怪しいものだろうしな。


 コレは手伝ってやるしかない…と言いたい所だが、先ず俺が他人に教える事って出来るのか?言ってはなんだが、俺の戦い方は結構自分のスペックに頼っている所がある。


 技術的な方では受け流しがそこに含まれるけど、受け流しって異常なほど難しいからな。この辺にいる様な雑魚モンスターぐらいならちょっと練習すれば出来るかもしれないけど、ちょっとでも強いモンスターが出て来たら一巻の終わりだ。


 そうだ、今は初期装備の剣を持っているみたいだけど、もしかしたら違う武器を使おうとしてる可能性がある。聞いとかないとな。


「なぁ、武器ってそのまま剣でやっていくのか?それとも何かしたい武器でもあるか?」


 俺の言葉を受けて、彼女はうーん、と悩み始めた。頭の中に色々なビジョンが思い浮かんでいるのだろう。今のまま剣を持っている自分だろうか?それとも…??


「うん、決めたの!薙刀が良いと思うの!」


 な、薙刀か…何か理由はあるのだろうか?


「リーチが長いから戦い易いと思うの!」


 なるほど。思ってたより理に適ってる。でも困ったな。俺は薙刀なんて使った事がない。これじゃ精々一緒に頑張ろう!ぐらいしか出来ない。


 何かないか?手伝うって言って何も出来ないじゃちょっと情けないよなぁ。うーん、そうだ!あの人がいるじゃないか!!


 その事を思い出した俺は、ルゥを連れてその人の元へ向かうのだった…






 ☆☆☆☆☆


「それで儂のところに来たという訳じゃな」


「はい、師匠!俺じゃ教えられませんので、どうか彼女を鍛えて下さいませんでしょうか!!」


 今の会話で相手が誰だか分かった人は居るだろうか?というか、俺がもう正体をバラしちゃってるし分かるよな。


 そう、俺に戦い方を教えてくれた師匠こと、エドワードさんである。ただし、一応聞いておかないといけない事がある。


「あの、ここまで来ておいてなんですが、師匠は薙刀を教える事が出来ますか?師匠は剣を使っているって聞いていたので」


 その言葉に、師匠は思案する様な顔をした。


「ふむ、確かに儂は剣を使って戦っておる。それで、薙刀じゃが…儂には教える事が出来ん。おっと、シルバーよ、そんなに絶望した様な顔をするでない。それでもやりようはある」


 そんなに絶望した様な顔をしていたのだろうか。ちょっと俺の中の師匠がなんでも出来る万能な人になってしまっていたからな。出来ないと聞いてビックリしてしまった。


 それでもやりようはあるらしいし、やっぱり師匠は凄いよな。それで、一体どうするのだろうか?


「それはじゃな…お主と同じ事をするのじゃよ」


 え?俺と同じ事?一体何だろうか。俺はそんな凄いことなんてしてないけどな。


「ふむ、自分はそんなに凄いことなどしていない!と言いたそうな顔をしておるな。…確かにその通りじゃ。そう、凄いわけではないが、大切な事。人に頼るという事じゃ。」


 人に…頼る?確かに俺は色んな人に助けられまくってるけどな。


「うむ、儂の知り合いに薙刀を使えるものがおる。そいつは暇な筈じゃから、今からでも呼んでやろう。なに、近くに住んでおった筈じゃ。呼べば直ぐに来るじゃろう。少し待っておれ」


 そう言うと、師匠は自分からその人を呼びに行ってしまった。一体どんな人が来るのだろうか。やっぱり師匠の知り合いだからとんでもない人が来るのかもしれない。


 そうして暫くゆっくりしていると、師匠と、もう一人の女性が入って来るのだった。





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