ロリコンデビュー!?2
どうも。
幾ら街の周辺には弱いモンスターしかいないとはいえ、完全な初心者が(初期装備だったからそう判断した)一人で外に行くのは心配だ。
況してや幼女だぜ?これで心配にならない方がおかしい。幼女が強いなんていうのは、小説や漫画の中だけだ。
兎に角、俺は心配になってついて行ったんだ。…え?それじゃただのストーカーじゃないかって?
…そ、そういえば、あの時やけに周りからの視線がきびしかった様な気が…なんか良くないことでも有ったのかと思ってたけど、まさか、そういう事?……そういう事ですか。
…終わった。俺のゲーム生活終了のお知らせだ。きっとこれからはロリコンという名の渾名が俺に付いて回るに違いない。
閑話休題、それは今は置いておこう(現実逃避とも言う)
そこでかんさ…ゲフンゲフン、見守ってた訳だが、それはもう、アッサリと敵にボコボコにされててな、慌てて助けに入って、今に至ると言う訳だ。うん、分かりやすい。
なんて言うか…成人してる癖に仔犬みたいだ。今だって感謝してるんだろうけど、ありがとうとか言う前に抱きついて来たしな。変な考えなんか及ぶはずもなく、懐いた仔犬にしか見えない。…中身もしっかり子供じゃねぇか!
「ねぇ、ねぇ、シルバーさん。何だか百面相してるね!睨めっこなの?ルゥもやる!」
早速ルゥの敬語が崩れ始めた。うん、あれだな、愛玩動物的な可愛さが凄い。
グニャグニャとルゥの顔が変化していく。別にその姿を見て微笑ましい気分になってても良いんだが、何だかやられっぱなしなのも悔しいので取り敢えず俺も変顔をしてみる。
フッ、目元を引っ張って舌を出すのは素人のやり方だな。コツとしては真顔と変な顔を不規則な順番で繰り出すのが良いんだぜ。何事にも緩急が大事だって事なんだよなぁ。
「アハハハハ!!!シルバーさん変な顔〜!!アハハハハ!」
ほら、笑った。俺の勝ちだ。これが俺の実力なのさ、ハッハッハ…
ハッ!?何処からか視線を感じる!ルゥの視線じゃない誰かが俺たちのことを見ている。まさか悪質なPKプレイヤーか?
む?話し声が聞こえるな。よし、これで何処にいるか見極めてやろう。待ってろよ、PKプレイヤーめ!
「アレが…ロリコンですか。漫画とかの世界にはよく居ますけど、現実で見てみるとちょっと…」
「確かに、生理的嫌悪を感じますね。…うわっ!こっち見てるよ!逃げよ!」
「う、うん!」
走り去っていく足音が遠ざかっていき、そして聴こえなくなった。
あ、ああああああああああああああああああ!!!理解したくない!したくないけど、理解しちゃう、ビクンビクン。
これじゃ俺が不審者みたいじゃないか!俺がいったい何をしたっていうんだ!
ただルゥを追いかけてバレないように見守り、ピンチになったら助けて、楽しく戯れてただけだろ!
…うん、有罪だな。字にしたらそのヤバさがよく分かる。俺だってそんな奴がいたらヤバイ奴だと思うわ。
それにしてもさっきのはヤバイ。俺に罵られて喜ぶ異常な性癖はないから心に直接攻撃されてしまった。
すぐさまダメージを回復しないと心が折れてしまいそうだ。な、なにか回復出来そうなモノはないか!
有った!笑ってるルゥだ!このあどけない表情と、心の幼さから繰り出される無邪気な笑い!あぁ、癒される…ってアレ?何か最初に考えてた事に真っ向から対立してるような気がしてきたけど…気のせいだよな、うん、気のせいだ。
「そうだ、シルバーさん。シルバーさんが強いことを見込んでお願いがあるんです。」
しばらく経って笑いが収まった頃、ルゥは顔を引き締めて俺に対してこう述べて来た。うーん、何なのだろうな、強い事が関係するって事は、何かと戦ったりするという事だろうか?それとも、俺が思いつかない何かがあるって事かな?
「私が商売をするのを手伝って貰えませんか?」
しかし彼女は、俺が考えていた事とは割とズレたことを、俺に対してお願いして来たのだった。
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