闘技大会編しゅーりょー
転移した俺が目を開けると、そこは不思議な空間だった。特に照明がある訳でもないのに明るい。そうだ、どっかで見た事があるなって思ったけどアレだな、ダンジョンと一緒なんだな。
周りを見渡しても何も…いや、よく見たら張り紙が置いてあるな。えー、なになに?
もう少しで係の者が参ります。今しばらくお待ちください。
だそうだ。まぁ、こういう事もあるかな。気長に待つとしよう。そうだ、そういえば優勝者予想のリザルトがステータスに表示されてるらしいな。
それを確認して時間を潰すとしよう。ちなみに俺は大会が始まる前に、自分に賭けてた。とは言っても情けない事にあんまり自信もなかったから、額自体は結構少ないんだわ。
ラノベの主人公とかみたいに、「フッ、私の持ちうる全ての額をベットしてくれ(キラキラキラ…)」とか言えたら良かったんだけどな。
…俺のキャラに合わないなぁ。せめてもっとイケメンだったら似合うのだろうけど。現実はそう上手くいかないなぁ。彼女もいないし。
…辞めだ辞め!こんな話ストップだ!俺はそんな現実認めないぞ!…優勝したのになんでザマだ。
こんな気持ちにさせるなんて、リア充とはかくも恐ろしいものなんだなぁ。普段は最早怨みのレベルまできてるのに、自分はそれを目指すんだから。やはり本能である。
閑話休題。話のそれ方が二次関数みたいになってる。最初の話はどこ行ったんだ。まるで迷子の迷子の子猫ちゃんじゃないか。
おーい!犬のおまわりさん!しっかり取り締まってくれないと困るじゃないか!………うん、スベったな。一人で三文芝居なんてやるもんじゃない。それもこれもリア充の所為だ!(暴論)
ハッ!また話がズレてる!もう話がズレる前にとっとと確認しよう!
お、おおお!!慌ただしいし、五月蝿いやつだなと思ったかもしれないけど、兎に角見てくれよ!
優勝者予想・シルバー
賭け金・三万ルクス
倍率・十五倍
リザルト・四十五万ルクス
見た?見た?俺の倍率は十五倍だってよ?…普通じゃない?そう、普通なんだよ!…馬券とか基準になっちゃうけどな。
え?普通の何が凄いのかって?みんなが賭けないマイナーな人程倍率が高くなっていくだろ?つまり普通って事は結構期待されてたって事じゃないか!
そりゃあ人気がなくて倍率が高ければ懐的な意味では嬉しいけどさ、でもここはゲームだ。ロマンを追い求めても良いじゃないか!みんなに認められる…それもまたロマンだ!
…ほへ?高い賭け金が当たる方が宝くじ的なロマンじゃないのかって?金が一番?
フッ、まだまだゲームに染まり切れてないな。…とは言ってみたものの、まぁ、楽しみ方は人それぞれだからな。お金を集めるのだって楽しいものだ。俺だって金が集まるの嬉しいし。
話を戻すけど、結構なお金をゲット出来た!って事でオーケー?オーケー!
それにしても、そろそろ来そうなもんだけどな?っと噂をすればなんとやらって奴だな。
兎に角、俺の足元に見慣れた係員が現れた。…は?
ちょっと待て!先ず字面からしておかしい!なんで足元から現れるんだよ!そこは俺みたいに転移して来るとか、なんかあるだろ!
「あ、どうも。シルバーさん、トールです」
なんかサラッと係員の名前が出て来たぁぁぁぁ!!ここまで明かされることのなかったこの名前!でもよく考えたら俺から聞いた事なかったわぁぁぁ!!聞けば良かったんだな。今更気づいたわ。俺も緊張してたんだな。
…取り敢えず俺はトールのいる場所から移動した。それを見計らい、トールは話し始めた。っていうか、足元から現れた弁明は無いのか…
「今回の優勝の賞品はこちらです。お受け取り下さい。」
トールが差し出した物は、キラキラに輝く黄金の果実だった。一体なんなのだろうか?
「こちらはスキルを一段階進化させる木の実です。流石にオンリーワンスキルは無理ですが、普通のスキルなら一段階進化します。超激レアアイテムですね」
俺は恐る恐る受け取った。
ゴマだれ〜!!(緑の勇者系BGMと上にアイテムを掲げるポージング)
「さて、決めポーズも決まった事ですし、ここで運営本部からのメッセージが届いていますが、宜しいですか?」
か、身体が勝手に動いたんだ!これは罠だ!…って、ん?一体何だろうか。全然問題ないから了承するけどさ。
「ありがとうございます。それでは、伝えますね」
「先ずは優勝おめでとう。このゲームにそこまで力を入れて、そして楽しんでプレイしてくれている事に、運営一同、感謝の気持ちで一杯だ。」
それは…こちらこそありがとうと言わせて貰いたい。ここまで楽しいゲームを作ってくれて本当にありがとう。なんていうか…楽しいし、頑張って、結果も残せてる今が最高に良いんだ。
「これからも運営はイベントを開催するだろう。新規プレイヤーももうすぐ入って来るだろうし、新しい楽しみ方が更に見つかるかもしれない。そしてそんなプレイヤーを、この世界を、君に盛り上げてくれとは言わない。…楽しんで、くれるかな?」
「…はい!」
力の入った声が、この狭い空間に響き渡った…
読んで下さりありがとうごさいました!
かなり投稿が空いた期間も有りましたが、読者様が居るという力を糧に、ここまで頑張ることができました。本当にありがとうございました!
終わった感がありますが、第一章・完!という感じです。
よく頑張った!面白かったよ!これからも頑張れ!と思った人は、ブクマ、評価、感想やレビューを書いて下さると嬉しいです。これからもよろしくお願いします!
追伸・手を負傷しましたので、投稿が遅れる可能性があります。早くて今週の土曜日。遅ければ未定で投稿を再開します。ドジっ子ですみません!
…ブクマ減ってて焦ってるんですが完結じゃないですよ!まだまだ続きますので!