閉会式
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………………闘技場全体が沈黙に包まれた。ゲーム故か風の音すらしない…あ、今どこかで唾を飲み込む音がした気がする。それぐらい小さな音が聞こえるぐらいには静かだ。
そんな音のなくなってしまった世界で、突然小さな…いや、この世界にとっては大きな音が鳴り響いた…
バタン!
ローラが倒れた事によりなってしまった音だ。そしてそれを境に、世界は急速に動きを見せる事となる。
「ろ、ローラが戦闘不能…??…ということは…!?ゆ、ゆゆゆゆゆゆ優勝は!シルバーだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!皆さんんンんンんン!!初代チャンピオンの誕生を祝えええええええええ!!拍手だぁぁ!!!」
わあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!
最早途中から言葉遣いが滅茶苦茶になっているヤツアシさんの宣言で、一瞬爆発が起きたのではないかと勘違いしてしまうほどの、大きな拍手と歓声が鳴り響いた。
そうか、今の今まで他人事みたいに考えてたけど、俺、優勝したんだな……!?
「よっしゃあああああああああああああああああああああ!!!!!」
早速ですが宇宙が俺を駆け巡る様にうねり渦巻き真っ赤な稲妻が俺を貫きなんというかなんというか…十倍アイスクリーム!!ってそうじゃなくて、今なら胡椒だけで飯が食える気がする…ってそうでもなくて、何が言いたいかというと…
優勝できて超うれしい。…うん、そうだな、この一言に尽きるわ。俺も自分が何を考えているのか分からなくなってしまうほどには超うれしいわ。
「う、うーん…わたくしは一体??…そうですわ、魔法を反射されてその後…!?」
そこまで考えて直前の記憶を思い出すことに成功したのか、ローラは少し項垂れた。
「負けた…のですわね。悔しいですが、あっぱれでしたわ、シルバー。優勝おめでとう!」
なんて人としてできている人間なんだろうか。俺が負けてたとしたら、そんな事を言えた自信はないな。とはいえ、今はそんな人としての差を見せつけられて沈む場面じゃない。
「ああ、ありがとう。俺も最後まで緊張が止まらなかったよ。途中まで防戦一方だったしな。ええと…うん、いい勝負だった」
「ええ、次は負けませんわよ!覚悟なさって下さいな。オーッホッホッホッホッホ!!」
互いに言葉を交わしあった後、俺達は互いに手を差し出し、そして握手した。
「それでは、これにて白熱した闘技大会も終了です!皆さんお疲れ様でした!優勝者予想が的中された方は、ステータス画面にて説明がございます!ご覧ください。そして好成績を残された選手の方々は、賞品をお渡しいたしますので、今から転移します!ご注意ください。それでは、ありがとうございました!これからもアナザーワールドをお楽しみください!」
その言葉を言い終えるのと同時に、俺は転移した。
章設定はしていませんが、一応次で闘技大会編は終わりですかね、おそらく。
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