決着
読んで下さりありがとうございます!
相手がウル◯ラマン形式だと仮定するならば、話は早い。MPを切らす要領と同じで、時間いっぱい躱しまくれば良い…のだが、このままいくと、そのうち躱し切れずに攻撃を喰らいそうだ。
だからといって極限状態を使ってしまうと、まったく意味が無い。恐らく使えば簡単に躱せる様になるだろう。
しかし、憶えているだろうか?極限状態のデメリットとして、使用している間はHPが減少し続けてしまうという事を。
それじゃあ、下手すると俺の方が早く力尽きるかもしれない。こんな状態なのに、耐久されても負ける…なんて選択肢を増やすのは愚策としか言えない。いつも思うけど、そういうのは勝てる時に行わないと。
勢いで勝てるほど甘くない。俺の能力は他の奴らと比べて、そこまで尖がっているとは言えないからな。だからこそ考えて、確実に勝たなくちゃいけない。慎重に行こうぜ。
しかしこのまま行くと八方塞がり。守り気味で行けば、ジリ貧で負け。攻めたとしても、逆に守られて負け。
ならば勝つには…
守りながら攻めれば良い。そう、両方行えば良いんだよ!
え?何を言ってるのか分からない?変なのは元からだけどさらに拗らせたなって?
ハッハッハ!この状況を打破するのにちょうど良いスキルが在るのだよ!
…ん?だったら最初から使っておけって?ここまで温存している理由がないだって?
そ、そそそそれは、ちゃんと相手がどの様な戦い方をしようとしているのか見極めようと思ってたからなんだ。け、決して戦いに夢中になって忘れてたとか、そういうのじゃないんだからね!
…はい。忘れてました。このトーナメントが始まってから魔法を使って来る様な相手なんて一切居なかったから、そんなスキルを持っていたことはすっかり忘れてました。
でも今さっきまで戦ってきた感じで分かる。俺の持っているスキルはちゃんとローラに通用する。相手を選ぶスキルだったけど、どうやら今回は賭けに勝った様だ。
それでは魅せよう!俺の盾は飾りじゃないって事をな!しかしそのスキルを最高のコンディションで放つには、俺は接近する必要がある。
なになに?接近したら魔法が当たるんじゃないかって?フッ、黙って見ときな(超絶イケボ…のつもり)
そして俺は先程まで防御一辺倒で戦っていたとは思えない様な思い切りぶりで、ローラへ向けて駆け出した。
まさか観客も戦い方が変化した理由が、思い出したからだとは思いもしないだろうな。クソダサい理由だから別に誰かに言うつもりもないけどな。
兎に角俺は、ローラ相手に接近することに成功した。少々意表を突いた形になったわけだが、ローラは俺に向かって中々の高火力技を繰り出してきた。咄嗟に威力が高い魔法が出せるのは強すぎるな。
「大爆発!!」
奇しくも、俺と一緒にダンジョンを攻略した時にローラがボスを仕留めた魔法が俺に向かって飛んで来ている。
俺は爆発が起きる前に発生する前に発生する光へ向けて、二つのスキルを発動した!
まず第一に極限状態発動!もうさっきまで言ってたことなんて全部撤回だ!一撃で決める!
次は思い出したスキルを発動!反射する一撃!!盾が銀の光を纏う。それと同時に盾をアタックモードに変更する。
そして…殴る!!
「オッラァァァァァァぁぁぁ!!!」
俺の一撃は…光をぶち破る事なく、爆発させる事なく、ローラへ向けて弾き返した。
「な、なんでですの!?キャァァ!?」
ローラは爆発に耐える事が出来ず、大きく吹き飛んだ。魔法防御はそこそこあった様で、耐えられてしまったが、もう風前の灯火だ。
言っただろ?俺は守りながら攻めるってな。そんな風に少しカッコつけながらも、俺は体勢を崩したローラに向けてトドメの一撃を振り下ろすのだった…
ブクマと評価、いつもありがとうございます!
ランキングにも乗れてますし、目に見える形で結果が出ているので、やる気も出ますね!
それもこれも読者様のおかげです!ありがたや、ありがたや