お嬢様の切り札
ランキング3位確認しました!本当に、本当にありがとうございます!総合の方も88位でした!二桁は初です!
嬉しいいいい!!!
「あらあら、驚きましたわ!まさか潜り抜けて来るだなんて!流石ですわね、シルバー」
「お褒めに預かり光栄だな。にしてもアレは防ぐ手段が無いとかなり厳しいと思うんだが、そこはどうなんだ?」
ローラはそれを聞くと、俺に対してこう言った。
「あら、わたくしはアレで決めるつもりでしたのよ?実際、このトーナメントでもしっかり通じる事は確認済みでしたもの」
…という事は俺より前にローラと戦った奴は、さっきのアレにやられてしまった訳だな。
仕方ない。俺だって、危険察知のあの能力が無ければやられてたところだったしな。スピードアタッカータイプだと、逃げ場のないあの魔法は辛いだろう。
魔法防御に厚いタイプだったとしても、威力の高い魔法を何度も打ち込まれれば終わりだ。詠唱を防ごうにも、ローラはそこもしっかり抵抗して来るからな。
俺の時みたいに上手くやり過ごされれば、反撃の一撃で沈む。急いで倒そうとすると、短い詠唱の魔法を大量に撃ち込まれる…何この無理ゲー感。
俺がオワタ式なのも考えると、最早死にゲーである。だれか!俺にセーブアンドロードをください!…ゴホン。
しかも攻撃を弾かれた理由もよく分かってないしな。力に結構振ってる俺の攻撃が弾かれてしまう程の、何かしらがあるのだろう。
それはあの杖のせいかもしれないし、スキルのせいかもしれないし、はたまた俺の知らない何かなのかもしれないが、兎に角厄介なのは間違いない。
途中、隙がありそうなら攻撃しようかと思ってたけど、これは素直にMP切れを待った方が良さそうか?下手に接近して、範囲攻撃をされるのが怖いしな。
という訳で行動開始だ…と思ったが、ある程度近付かなければ魔法を使ってもらえないという矛盾した行動でもあることに気がついた。
さっきよりも大きな魔法を使われた場合、極限状態を切らないと行けなくなりそうだからな。一度使うともうこの戦いじゃ使えないし、それ即ち負け濃厚だからな、それは避けないといけない。
これを同時にする方法は……ないな。少なくとも俺の頭じゃ思い浮かばない。
仕方ない。攻撃してすぐ離脱作戦でいくしかないか。え?今までと変わってないって?いやいや、さっきまでよりも更に回避に重点を置くんだよ。
さっきまでは倒せる時は倒そう!倒そう!って考えてたから、いざやってみて弾かれた時に、動揺して次の一手が思い浮かばなかった。
でも最初から守りを中心に考えていれば、不測の事態が起こったとしても、思考を停止しなくて済むかもしれない。そう出来れば俺の生存確率は結構高くなるだろうしな。
焦る必要はない。焦ったって良いことは何一つ無いからな。一つ一つ、今出来ることを確実に。よし、行くぞ!
ローラが詠唱を始めるより先に、俺は接近を始めた。これにより、ローラは長々と詠唱することができない…筈だったのだが、何かを呟いた後に長々と詠唱を始めてしまった。
兎に角俺は斬りかかった。が、先程の光景を繰り返すようにローラは俺の攻撃を杖で弾いた。
くそ!だが、まだ余裕はある。弾かれるだろうが、後一撃攻撃を加えてから離脱しよう!
そう思い攻撃したのだが、なんとローラは詠唱を辞めて後ろに飛んで回避した。
…どういう事だ?一撃目は受けて、次は回避した…別に二つの攻撃に特別差はなかった筈だ。
もしかしてあの弾くやつは一回しか出来ないのか?単発式のスキルなのかもしれないな。
おいおい、希望が見えてきたんじゃないか?連続で攻撃すれば長い詠唱はできない。詠唱が短い攻撃は躱す事が出来る。
イケる!イケるぞ!ローラもそう考えたのか、唐突に腕を下ろした。ん?ローラの性格的に諦めるような事は無いと思うんだがな。
「気づきましたわね、わたくしが防げるのは一回だという事に」
俺は頷いた。それでどうするというのだろうか。まさか…何かあるのか?
「だけどわたくしも負けるつもりはなくてよ。だから…魅せてあげましょう、本当の力を!炎の精霊化!!」
刹那、視界が紅く染まった。
読んでくださりありがとうございました!
ブクマ、評価を下さると大変嬉しいです。
目標ブクマ二千を目指して頑張ります!