NPCがSUGEEEEEE
一万字突破!!
なんか、伸びが凄いので、もう1話頑張って書きました。それではどうぞ!!
誤字を直しました3月5日
2019年5月11日少し読みやすくしました。内容に変更はありません
このゲームを全力で楽しむと決めた俺は、この街のありとあらゆるものに目を奪われていた。文明度としては、この手のものではよくある設定である中世ぐらいだろうか?街は思ったよりきれいだった。……当然か。街が汚いゲームなんてしたくなくなるしな。俺だって嫌だ、そんなゲームは。
目の前に人がたくさんいるといっていたが、所々にプレイヤーがいることがわかる。なぜかというと、その人の頭の上に、プレイヤーネームが表示されているからだ。逆に言うと、それがないとプレイヤーかNPCかどうかの見分けがつかない。NPCと思われる人だって、それぞれ表情だって普通の人と何も変わらないし、それぞれがそれぞれの生き方をしている。NPC、いや、この言い方はふさわしくないと俺は思う。そう、彼らだって生きていて、ちゃんとした個人なのだと、俺はそう思う。
そうだ、このゲームは自由すぎて、俺には何をすればいいかわからない。他のプレイヤーに聞くのもいいけど、ここはひとつ彼らに聞いてみよう。
「すみません。ちょっと聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」
俺は近所の人なのかどうかはわからないが、井戸端会議らしきことをしている人のよさそうなおばちゃん2人に話しかけた。彼女たちは顔を見合わせた後、「ええ、いいわよ。」と快く返事をしてくれた。
「それでどうしたのかい?こんなおばちゃん達に話しかけてきて。もしかしてナンパかい?だとしたらおばちゃんもまだまだイケるね。アッハッハッハ」
元気だ。それに本当にうちの近くのおばちゃんもこんな感じだった気がする。失礼だが、俺は熟女好きではない。勿論そんなことは伝えないが。多少キザったらしくなってしまうが、これでいこう。前おばちゃん相手にやったらウケたし。
「本当ならナンパしたいところなんですが、残念ながら違うんですよ」
「あらやだ、お上手だねぇ。それじゃあなんだい?何を聞きたいんだい?」
その時、もう一人のおばちゃんが口を出した。
「もしかしてあれなんじゃないのかい?ほら、最近になって急に来る様になった・・・」
「ああ、確かにそうかもしれないね。アンタ、あれかい?次元人かい?」
なんだろう。次元人なんて話は知らないな。分からないことは聞く。これが一番だ。流石に今回は失敗しないぞ。
「次元人ってなんですか?」
「次元人ってのは、他の次元からやって来たとされる、人間のことさ。初めはみんな総じて弱いんだけどね、成長が早くて、強くなるのがとても早い人たちの事なのさ」
なるほど。俺たちプレイヤーの事をこの世界では次元人というのか。覚えておこう。
「ええ、そういう事なら、俺も次元人ってことになります。それで……この辺りの常識とか、どうやっていけばいいとか分からなくて。それで現地人に聞きたいなと思いまして」
「なるほど、そういうことだったのかい。それならおばちゃんに任せなさい。といっても、どこに行けばいいかとかを教えるだけなんだけどね」
「それでも十分ありがたいです。ありがとうございます!」
感謝の気持ちは言葉にして伝える。これ、結構大事だと思うんだ。自分も嬉しい。感謝の気持ちを知れて、相手も嬉しい。最高だな。
「いやいや、良いんだよ。困った時はお互い様ってねぇ。自分が一番大事で、自分のことさえ良ければ後はどうでも良いってのも間違ってないとは思うけど、おばちゃんはそう思ってるしねぇ」
素晴らしい考え方だ。まさかゲームの中でおばちゃんからこんな深い言葉をいただけるとは思っていなかった。案外人と話すのもこのゲームの醍醐味なのかも知れないな。
「あら、やだやだ。説教臭くなっちゃったわねぇ。ごめんなさいね。おばちゃんの話、つまんないでしょ」
少し照れくさくなってしまったのか、おばちゃんの頬が赤くなっている。つまんないと本人は言っているが、そんなことはない。話しているだけでも十分楽しい。
「いえいえ、全然そんなことないですよ。ずっと話したいぐらいですよ」
「お世辞でもおばちゃん、嬉しいわ。ありがとうね。そうだわ、話がズレちゃったわね。どこに行けば良いかというと、冒険者ギルドね」
冒険者ギルド。ラノベなどでは定番中の定番。テンプレといってもいいだろう。本で読んでいたりすると、ああ、またか。と思うかも知れない。でもそれが、自分で体験できるとなるとどうだろうか。俺は震えが止まらない。最高だ。自分があの憧れの一部になれるとは。絡まれたいとは思わないが、ムキムキの冒険者や、ローブを纏ったインテリな雰囲気の魔法使いなど、思いを馳せればきりがない。会いたい。
「ぼ、冒険者ギルドですか。それってどういうものなんですか?」
ないとは思うが、もし俺の思う冒険者ギルドじゃなかった場合、ショックがデカすぎる。くらうなら早めの方がいいだろう。頼む!俺の思う通りであってくれ!
「冒険者が所属する組織のことさね。そして冒険者ってのは、よく言えば何でも屋さね。魔物を倒したり、薬草を採取して来たりすることもあれば、街の中の困りごとを解決したりするもののことを指すね」
うおおおおおおお!!!勝利!!俺の思った通りの冒険者ギルドだった。ブイ!!
「あ、ありがとうございます。早速いってみたいと思います」
「お、そうかい。元気に頑張りな。おばちゃんのことも忘れないでいてくれると嬉しいね。」
「はい、忘れません!困ったことがあれば言ってください。俺にできる全力で助けますから」
これも本当だ。これだけ親切に接してくれた彼女達には、なにかしてあげたいと思うが、今の俺には何も出来ることはない。それならば、困った時に助ける。せめてこれぐらいはしないと。
「そうかい、そうかい。それならその時はお願いしようかねぇ」
そうして、俺はおばちゃん達と別れた。またいつか会うことだろう。それに話を聞いてワクワクして来た。よし!早く行くぞ!!冒険者ギルド!!!
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